「やり直し!」鬼になった新庄監督が「SHINJO STAGE」から〝カミナリ〟
「送球ミスしたら、もう1回」選手に重圧と緊張感
日本ハムの新庄剛志監督(51)が3日、沖縄・名護キャンプで行われたケースノック中に、バックネット付近に設置された「SHINJO STAGE」に登壇した。マイクを握ると「送球ミスしたら、もう1回ね」とグラウンドへ向けて指示。スピーカー越しに選手たちへ重圧を与え、練習を緊張感あるものにした。
空気がピリッと引き締まった。三塁走者を想定したノック中。万波の中継への送球がワンバウンドすると、即座に「やり直し!」の声が響き渡った。同様のシチュエーションで仕切り直すも、再び送球ミス。もう1度「やり直し!」の声が響く。万波は3度目の挑戦でようやく強肩ぶりを発揮し、本塁へ向けて矢のような送球を放った。
3度要した万波は反省「一発で決めないといけないプレー、防げたミス」
練習のための練習はいらない。新庄監督からは「80%でいいから、相手が次に投げやすいところに投げてあげる」と、試合で活きる具体的な指令が飛んだ。優勝だけを目指すシーズン。一切の妥協を許さず、勝利につながる行動を積み重ねる。
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高さ3.6メートルのステージから、フィールドを俯瞰する。指揮官が目を光らせれば、自然と選手の表情は引き締まる。本意ではない悪送球を連発した万波は「一発で決めないといけないプレーでした。三塁走者を想定していた。タッチアップで後ろに走者がいないので、もっと高いボールを投げても良かった。そういうことが頭に入っていれば防げたミスだった」と、反省の言葉を並べた。
松本剛「練習から実戦に近い状況になるのは良いこと」
緊張感は伝播する。ナインは落とされた〝カミナリ〟を、我がことと認識する。松本剛は「きょうは走者がいなかったので、どうしてもダレやすい練習。実戦の緊張感を練習の中で出すのは難しい。締めてもらえると選手は緊張する。特に若い選手は『良い結果を出さなきゃ』ってガチガチになる。練習から実戦に近い状況になるのは良いことですよね」。新庄監督がマイク越しに発する、言葉の真意を汲み取った。
レギュラー争いは、日を追うごとに激しくなる。万波はこの日抱いた危機感をエネルギーに変えて、首脳陣への猛アピールを誓う。「(1日の紅白戦で)ヒットが出なかったし、きょうのミスもある。挽回しないといけない状態。しっかり結果が出る練習をオフシーズンからやってきた。とにかく自分に集中して、精度を上げたい」。節分の2月3日。鬼になった新庄監督の声は、選手の心にしっかり届いた。