北見協会 コンサドーレを圧倒 地元優勝へスキップ平田「北見のカーリング界の歴史を塗り替える」 カーリング日本選手権
■日本カーリング選手権大会(4日、北見・アドヴィックス常呂カーリングホール)
▽男子準決勝 北見協会(予選1位)7―1コンサドーレ(予選3位)
予選1位通過もプレーオフで逆転負け
どん底まで落ち込んだメンタルからはい上がった。午前中の決勝進出を懸けたSC軽井沢(予選2位)とのプレーオフは第9エンドまで9―8でリードしていた。後攻で迎えた第10エンドの最終投。勝利は目前に迫っていたが、スキップ・平田洸介(30)のドローショットが無念にも短くなりナンバーワンの位置を確保できずに追いつかれた。延長第11エンドで力尽き9―11で逆転負けを喫した。
準決勝開始まで3時間を切る中、痛恨のミスを犯した平田を筆頭にチームのメンタルは崩れた。それでも帯同しているプロラグビーコーチ・二ノ丸友幸氏(42)の「もう1回勝てばチャンスがある」という前向きな声掛けもあり、皆で励まし合って準決勝のコンサドーレ戦へ気持ちを奮い立たせた。
「競技人生で1、2くらい緊張した」
「競技人生で1、2くらい緊張した。勝てなかったら、しばらく飯食えないんじゃないかな、というぐらい」と話した平田だったが、序盤から流れ良く進んだ。第2エンドでスチールし2―0とすると、4―1で迎えた第6エンドから3連続スチールで着実に点差を広げた。第8エンドを終え6点差が付き、コンサドーレがコンシード。北見協会の決勝進出が決まった。
SC軽井沢と今大会1勝1敗
決勝の相手は前年王者のSC軽井沢となった。今大会は1次リーグで勝利、プレーオフで敗北し1勝1敗。3度目の対戦で決着を付ける。「次は大丈夫。楽しめると思っています」と平田。サードの臼井槙吾(28)も「楽しんで、自分たちのプレーをしっかりして、優勝を目指していきたい」と力を込めた。
悲願の初優勝へ舞台は整った。今大会の会場であるアドヴィックス常呂カーリングホールは11月に10周年を迎える。そして日本選手権も40回大会と節目の年だ。北見市出身の平田は「僕が競技に本格的に打ち込んだときにできたホール。縁を感じています。僕らが北見のカーリング界の歴史を塗り替える」。地元チームとして負けるわけにはいかない。
コンサドーレ3位「新規のチームで素直に評価していい」
ワイルドカードから勝ち上がり、準決勝まで進出したコンサドーレは3位に終わった。阿部晋也(43)は「あまり流れを引き寄せられなかった」と肩を落とした。しかし、今季からメンバーが大きく変わったチームはまだ構築段階。「新規のチームで初年度に3位まで来られたのは素直に評価していい」と及第点を与えた。伸びしろも感じている。「足りない部分ははっきり見えた」と体力強化、スイーピングの向上に取り組んでいく。