万波 バックスクリーン直撃の特大弾 オフにスイングスピード13キロアップ「あのタイミングで間に合うんだ」
白組の「6番・中堅」で先発出場 打1打席で杉浦の143キロ直球に体が反応
底知れないポテンシャルを見せつけた。日本ハムの万波中正外野手(22)が5日、沖縄・名護キャンプで行われた紅白戦に白組の「6番・中堅」で出場。二回の第1打席で杉浦稔大投手(30)の直球を捉え、バックスクリーン直撃の一発を見舞った。特大の本塁打に観衆からはどよめきも。開幕スタメンを狙う若武者が豪快に、レギュラー獲りへの号砲を打ち鳴らした。
カウント1ー2。追い込まれてから、高めいっぱいの143キロ直球に体が自然と反応した。「芯で捉えてはいるけど、合わせた部分が強かった。その中でも、あれだけ飛距離が出たのはかなり驚いてます」。決してコースは甘くなかった。完璧にはじき返せたことは、自らにとってもサプライズな出来事だ。
特大弾の要因は、スイングスピードの向上にある。このオフ、万波は単身で渡米し専門の施設でスイングを解析。右肩が下がる悪癖を矯正するため、打撃フォームの改良に踏み切った。バットのグリップ部分に装着する「ブラストモーション」というセンサーで計測すると、バットスピードは130キロを記録。「オフシーズン前と1月の最後に測ったのでは、実打で13キロくらい上がった」と、武者修行の効果を実感している。
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「間に合わないと思って合わせたのが…」
圧倒的なスイングスピードがもたらすメリットは大きい。特大の一打を「今日のホームランは『間に合わない』と思って合わせたのが、どんぴしゃであそこまでいった。感覚的にこんなに(ボールを)呼び込めるんだと。あのタイミングで間に合うんだっていうのが、1つの参考になる」と、振り返る。ギリギリまでボールを見極めることで、打撃の確実性は格段に増す。課題を1つずつクリアし、一流打者への階段を登る。
このオフの肉体改造でプロ入り後初の5キロ増 今季こそ開幕スタメンの座を勝ち取る
豪快なスイングを支える肉体も成長を遂げている。プロ入りから4年間変わらなかった体重が、このオフは一気に5キロ増え99キロに。「4年間、本当に1キロも増えなかった。僕の中では大きい変化で、その効果も感じている。トレーニングで扱う重さや量が増えるにつれて、体重がどんどん上がった」。地道に積み重ねてきたトレーニングが、ようやく実を結びつつある。
昨季の悔しさを糧に、今季こそ開幕スタメンの座を勝ち取ってみせる。「やっぱり新球場の1発目の公式戦はどうしても出たい。もっと結果を残して上位打線で開幕スタメンに名前を連ねたい。十分チャンスはあると思う」。不動のレギュラーだった近藤がソフトバンクへ移籍した今、これ以上ない好機が目の前に広がっている。「今年レギュラーを取れないようじゃ自分は駄目。そのくらい強い気持ちでいる」。持ち前のパワーと度胸で、し烈な外野手争いの先頭を走る。