《秋季全道高校野球 準決勝を読む㊤》 旭実×札国際情報
秋季全道高校野球の準決勝、決勝が10、11日に札幌円山球場で行われる。4強に進んだチームの戦いを振り返り、2回に分けて戦力を紹介する。第1回は10日の第1試合で対戦する旭実と札国際情報戦。旭実は、今年のドラフト候補・田中楓基投手(3年)からエースナンバーを受け継いだ佐々木聖和投手(2年)の投球が勝敗を左右する。対する4強唯一の公立校・札国際情報は、全道大会のトーナメントを3戦連続2桁得点で勝ち進んできた。
■旭実 エース佐々木の制球力
2年連続で4強入りした旭実は、直球最速137キロを誇る佐々木の投球が鍵を握る。前チームから公式戦での登板経験があり、スライダーやチェンジアップなどを駆使した緩急自在の投球も光る。
全道の準々決勝・旭明成戦では公式戦初完投を勝利で飾った。味方の失策絡みや自身のけん制悪送球で2点を失ったが、自責点は1。全道の2試合で計14回を投げ、四死球はわずかに2と制球力も安定している。
チームは2試合連続で1点差ゲームを競り勝った。勝負強さも際立つ。過去、2度のセンバツ甲子園出場も、まだ秋季全道を制した経験はない。今年は創部60周年の節目の年。ロースコアの展開に持ち込めば、勝機は十分にある。
■札国際情報 3戦連続2桁得点の打力
札国際情報は秋季22年ぶりの準決勝進出を果たした。全道3試合でのチーム打率は驚異の・539を誇る。3戦すべてで2桁得点のコールド勝ちを収めた。準々決勝までは公立校同士の対戦だったが、強豪私立を相手にしても打線爆発といけるか―。旭実戦が正念場の一戦となる。
1年秋から正二塁手の1番・高根稜真主将(2年)がキーマンだ。全道では13打席で7安打6四死球と出塁率10割をマークした。隙あらば、次の塁を狙う走塁もチームの姿勢を体現している。
夏は昨年、一昨年と2年連続で準優勝しているが、秋は4強が最高。公立校では2009年の札南以来となる12年ぶりの決勝進出を狙う。新たな歴史をつくりたいところだ。