加藤豪が来日初実戦で存在感 経験豊富な苦労人は独自の調整法も披露
サムスンとの練習試合で五回に代打登場 期待膨らむ二直
日本ハムのドラフト3位・加藤豪将内野手(28)が9日、キャンプ地の沖縄・名護で行われたサムスン(韓国)との練習試合で実戦デビューを果たした。五回に代打で登場するとカウント1ー1からの3球目を捉え、強烈なライナー性の打球を放った。相手の好守に阻まれ結果は二直。〝来日初安打〟こそ逃したが、十分すぎるインパクトを残した。
全身が高揚感に包まれた。右手人さし指の骨折で出遅れていた逆輸入ルーキーが、ついにベールを脱いだ。注目集まる初球は変化球を豪快に空振り。積極的なスイングで観衆を沸かせた。「すごく緊張しました。でも、緊張は良いこと。(実戦出場は)予定よりも1週間早い。打席に立って、指が腫れたりしないかテストしている段階です」。先乗り自主トレ中に負った不本意なケガを乗り越え、競争の舞台にたどり着いた。
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リーグ開幕の「3・30」から逆算 調整テーマを3段階に区分け
独自の考え方で、開幕までの道のりを逆算する。大切にするのは結果よりも過程だ。キャンプ期間を3段階に区分けし調整を進めている。「キャンプ中はフェーズが3つある。1つ目は気持ち。脈拍をコントロールして打席に入る。2つ目がボールとストライクを見極めること。3つ目がスイング。きょうの課題はメンタル。呼吸と心拍数をコントロールできて良かったと思う」。大リーグ5球団を渡り歩いた苦労人は調整法を確立している。
実践中のフェーズ1は、心に重点を置く。日頃から「デジタルブラジャー」とも呼ばれるカタパルト社のGPSデバイスを着用。脈拍や運動量などのデータを詳細に管理している。打席に入る際、理想とする心拍数は140。「走っている時と同じぐらいが基準。自分に言い聞かせる言葉があって、それを言うとちゃんと脈が上がる。初日は緊張するので脈を高めるのが簡単。次の試合は上げる努力をしないといけない」。緊張感や高揚感、感情の起伏さえも操りパフォーマンスにつなげている。
負傷の右手人さし指の回復も順調
負傷箇所の回復は順調で、スローイング練習も再開した。「きのう、おとといから始めた。感覚を戻すためでリハビリではない。まだ若干、痛みがあるので指先を大事にしないといけないですね」。理論と経験を兼ね備えた男は、着実に前へと進んでいる。