【道スポ評論家が直撃】①加藤貴 FAどうする!? ~開幕前特別企画~
鶴岡氏が加藤貴を初インタビュー ともに口を揃え「不思議な感じです」
日本ハムOBで道新スポーツ評論家の岩本勉氏(51)と鶴岡慎也氏(41)が沖縄・名護で春季キャンプを行う選手たちと本音で語り合う新企画がスタート。第1回は加藤貴之投手(30)。鶴岡氏がOBだからこそ聞ける〝内角ぎりぎり〟の鋭い質問をぶつけた。今季国内フリーエージェント(FA)権を取得予定の左腕は、なぜ複数年契約の打診を固辞したのかー。シーズンに懸ける熱い思いを語った。
鶴岡氏(以下、鶴)「初インタビューです。現役の時は2人で馬鹿みたいなことを話して、ふざけ合っていたので不思議な感じですね」
加藤貴(以下、加)「本当に不思議な感じです」
プロ8年目左腕 今や投手陣のリーダー格
鶴「『あの加藤投手』がチームリーダーになってくれてうれしい。僕が一番成長を感じています」
加「あの加藤が(笑)。本当ですか?」
鶴「本当だよ。今何歳? 年下ばかりだとクラブハウスとかロッカーの雰囲気も変わるでしょ」
加「今年で31歳になります。気を遣いますね。みんな良い意味で真面目なので。上沢と2人で何とかやっていきたいけど(ノリが)付いてきてもらえない…。僕もいき過ぎないようにしています」
複数年提示を固辞!? 気になるFAについて直撃!
鶴「そういえば今年のオフはFAですね。うわさでは複数年契約の提示を断ったとか」
加「そこに関しては…(苦笑)。去年は自分でもびっくりするぐらい防御率が良くて、投球自体も自分が驚くほど良かった。これをもう1年やって、良かったら(複数年契約を)っていうのが本音です」
鶴「僕はFAを経験してるけど、複数年契約を提示されたら飛びつきたくなる。そこを断ったからには、さらに大きな契約を狙う?」
加「もう1年勝負がしたいですし、毎年そういう成績を残したいと思っています」
鶴「表向きはそうだけど、実は海外とかメジャーへの意識が芽生えたりしてない? たとえば今年15勝5敗、防御率1点台。それで向こうのエージェントに『アメリカ興味ない?』って言われたら考えるでしょ」
加「いや、ないですよ! メジャーは100%ないです。アメリカは怖いし、北海道が好き。まずはチームに貢献すること。もう1年、本当に自分の勝負がしたいです」
本音トークさく裂! FA経験の鶴岡氏「自分の市場価値を知りたかった」
鶴「僕も北海道が好きだけど、もろもろ吟味して福岡へ移籍した。帰る時もいろいろ熟考して帰ってきた。FAの相談なら何でも乗るよ!」
加「そうなんですけど(笑)。まだ(権利を)取ってないので。シーズンが始まって2回ぐらい投げたら取れるのかな。鶴岡さんは、もともとFAするつもりで他球団に行きたかったんですか? 何球団から話が来たんですか?」
鶴「4球団かな。他球団に行ってみたいというよりも自分の市場価値を知りたかった。僕は代理人を付けずに全部自分で交渉した。こうやって値段とか条件が上がるのか…って過程を経験できた。でも加藤は絶対に代理人を付けた方がいい。ちゃんと話せないでしょ」
加「確かに(意見を)言えないです。じゃあ今年はちょっと…ってか出ていかない! ドラフトで取ってもらったのがファイターズ。今成さんに取ってもらった。始めに入った球団。1球団で終わるのがベストだと思っています」
ともに北海道愛は深い 加藤貴「長くファイターズでやれれば良い」
鶴「北海道への愛着、ファイターズでユニホームを脱ぎたい思いが強いんだね。だけどフタを開けてみないと分からないのがFA。どの球団も欲しい、良い条件を出したいと思ってもらえる投手にならないとね」
加「そうですね。ただ本当に長くファイターズでやれれば良いと思っています。ここまで来たら年数も大事かなって。家族のこともあるので。一人の人生ではないので」
鶴「そういう発言をする時点で涙が出そう。人間ってこんなに変わるんだなって。いろいろ考える年齢になりましたね。すごい選手になって素晴らしいよ」
加「何で、ですかね。自分は何も変えてないのに。覚えたことはあるけど、変えたことはない。急に風向きが変わって周りの評価が高くなりました。今年は、ケガだけはしないようにしたいですね。頑張らないとな~」