ヴォレアスがっちり首位キープ タイトなスケジュールを総力戦で乗り切った
■Vリーグ男子2部 ヴォレアス北海道3―1きんでん(12日、札幌・北ガスアリーナ札幌46)
前日からスタメン3人入れ替え
敗戦を引きずることなく、3ポイントを積み重ねた。11日のサフィルヴァ戦で約3カ月ぶりの黒星を喫したが、きっちりと白星をもぎ取った。1セット目は先取されたが、3セット連続で奪い、3―1できんでんに勝利。12勝2敗で首位をキープした。
リーグも後半戦に入っていく中で確実に疲労は蓄積していた。11日の熱戦が終わったのは午後5時10分。この日は午前11時からの試合で、体調を回復するには、時間が足りなかった。エド・クライン監督(41)も「今シーズンの中でも一番リカバリーの時間が短かった」と、11日からスタメンを3人入れ替えて試合に臨んだ。
マキネン投入で流れ一変
1セット目は思ったようにブレークポイントが奪えなかった。わずか1本しか決められなかったブロックを強化するために、2セット目途中からペートゥ・マキネン(27)を投入すると試合の流れは一変した。最終的には12本ものブロックポイントを積み重ねた。指揮官の思惑は見事にハマり「重要なキーとなるメンバー交代だった。結果もすぐに出た」と納得の表情を見せた。
途中出場となったマキネンはプレーのみならず、仲間の士気を上げることも意識していた。「ちょっと周りの顔が落ちたように見えたので、チームにエナジーを持っていければと思っていました」と大きなガッツポーズなどでチームを鼓舞。V2王者の力を取り戻すきっかけとなった。
OH酒井、MB田城、スタメン起用選手も奮闘
スタメンで起用された選手たちも奮闘した。アウトサイドヒッターの酒井駿(25)が10得点を記録すると、ミドルブロッカーの田城貴之(30)もチーム最多となる4つのブロックポイントを挙げた。酒井は「(11日の敗戦を)引きずることなく、次の一戦をスマートに勝ちきる」ことを実践。田城は「サーブで崩れる場面が1セット目より増えたので、少しでもセッターをネットから離すことができれば、ちょっとでもブロックが速く作れる。小さな違いがブロックの数字につながった」と振り返った。
連敗を喫していれば、リーグ優勝に向けての勢いも削がれる可能性があった。「チャンピオンになるチームは負けた後でもそこからはね返って、もう一回勝ちにいけるチーム。どのリーグでもどのスポーツでもシーズン中は何敗かはしてしまうので、その敗戦から学んで、次に切り替えていくしかない」とクライン監督。万全ではない試合運びでも、終わってみれば快勝。一つの黒星が、チームをさらに成長させる。