吉田輝星　ブルペンで100球の熱投　〝則本カーブ〟に手応え　１７日のキューバ戦でも駆使

〝新球〟のカーブを披露　稲葉ＧＭも大絶賛

　〝則本カーブ〟で先発枠奪う！日本ハムの吉田輝星投手（２２）が１３日、沖縄・名護で行われている１軍春季キャンプでブルペン入りし、楽天の則本からコツを教わったカーブを練習した。１７日のキューバ代表との練習試合に先発し、３イニングを投げる予定。ＷＢＣを控える強力打線を進化した曲がり球で翻弄し、開幕ローテーション入りをたぐり寄せる。

　自慢の直球を際立たせる新たな武器の誕生だ。リリースポイントからフッと浮き上がり、弧を描いてストライクゾーンに落ちてくる。約１００球のブルペン投球で、昨年までよりキレと精度が増したカーブがひときわ輝き、打席に入っていた稲葉ＧＭを何度もうなずかせた。

　「去年は真っすぐとフォークばっかり投げていましたけど、先発でもリリーフでも、その中にカーブが１つ加わればだいぶ大きい。高めのストレートとかで空振りやファウルが取れるようになる。試合中のフォームの修正にも使えて、相手に対して緩急をつけられたり良いことがあるので、今年はカーブを多く使いたい」

楽天エースのアドバイスで開眼　「こんなにコントロールできるようになるとは」

　カーブに光明が見えたのは、１月に則本と行った合同自主トレがきっかけだった。以前からの持ち球だったが、憧れの先輩右腕から投球時の肘の高さについて助言を受け、改良に成功した。「カーブの狙いどころを、則本さんは肘で決めるらしい。ワンバウンドがほしい時は、少し下げる。ストライクがほしい時は上目に肘を固定して、それで（球の）高さを決めるという話をしていた」。アドバイスに添って投げると、効果抜群。「やったら面白いように決まるようになった。カーブってけっこう腕が振れないと曲がらないけど、制球がうまくいっていないと振るのが怖くなる。今は右バッターの顔に向けて、思い切り腕が振れている」と確かな手応えをつかんだ。

　合同自主トレを通して、より軸足の右足に長く重心を置くフォームに変わったことも、カーブに好影響をもたらした。「腕を後ろの方から振れるようになって、前はよく左バッターの足の方に叩きつけていたんですけど、それがなくなった。腕を振った後に、ボールがポーンと落ちていくような感覚。こんなにうまくコントロールできるようになるとは思わなかった。いい感じかな」と笑顔を見せた。

１７日のキューバ戦に先発　今季最長の３回を予定

　次回登板は１７日のキューバ代表戦。今季最長の３イニングを任される予定で、新たな武器を試す絶好の機会だ。「例えば、内角を狙った直球がインハイにいってしまった時にカーブを投げて、次の高めの直球を空振りしてしまったとか、そういう反応が見えると一番うれしい。高めの真っすぐとコンビネーションがいいんじゃないかなと思う」とカーブを駆使した攻略法をイメージする。

　開幕ローテ入りへ、結果も求められる一戦になる。「（キューバ代表との対戦は）うれしいですけど、やっぱり打席での独特な威圧感は外国人ならではのものがある。迷いなく振ってくるので、良いにしろ悪いにしろ、多分、両極端にしっかり結果が出る。そこはもう思い切っていきたい」。空振り三振か、特大アーチを打たれるか―。前者になるよう、入念に準備を進めていくつもりだ。