堂々とした立野投手のピッチング。２年目ですが、昨年は１度も登板がなかった１軍でこの日も躍動しました。感じる事は「肝っ玉の座った投球」を存分に発揮したこと。そして、どんな状況に置いても変わらない腕の振りがあることです。
　打者が一番嫌な投手とは、ストレートも変化球も同じ腕の振りから繰り出されること。これに勝るものはなく、例外なくいい投手の条件といっても過言ではありません。立ち上がりから盤石でした。また要所で繰り出すカーブが効きましたね。もちろん、真っすぐがあっての変化球ですが、それが同じ感覚で投じられた時、打者の反応は確実に立ち遅れます。
　自分自身をわかっています。多彩な武器を持つのではなく、前記した部分を大切にし、シンプルに清水選手のミットを目がけて投げ込む。制球もしっかりとラインが出ていましたし、この日の投球では粘っこいロッテ打線もお手上げだと思います。
　あと、もう１回を投げられるかは、追い込み方の工夫が球数減につながりますが、現状では十分だと感じますし、来季に向けてのテーマとして求めていけばいいことです。ナイスピッチング。このひと言に尽きます。
（本紙評論家）