ルーキー奈良間が〝プロ初〟本塁打含む3安打 走っては2盗塁 慣れない守備も無難に
■練習試合 サムスン3ー7日本ハム(16日、沖縄・国頭かいぎんスタジアム)
2軍キャンプに〝出張〟 新庄監督の眼前で逆方向への柵越えも
なまらびっくり! ならまプロ初アーチ! 日本ハムのドラフト5位ルーキー・奈良間大己内野手(22)が16日、沖縄・国頭で行われた韓国・サムスンとの2軍練習試合に「8番・三塁」で先発し〝プロ1号〟の右越え逆転3ランを放った。逆方向への本塁打は「大学では打ったことがない」と自身も驚く一発だった。初の春季キャンプはスタートからここまで1軍の座を死守。この日は試合出場のため2軍チームに加わり、4打数3安打3打点2盗塁と大暴れした。
名護から国頭に〝出張〟した奈良間が、同じく視察に来た新庄監督の目の前で猛アピールに成功した。二回1死一、二塁で迎えた第1打席。「最悪でもランナーを三塁に進められるように、右方向を狙った」と高めのスライダーに食らいついた。打球は高く舞い上がり、風に乗って右翼フェンスを越えていった。「入ると思わなかった。風(のおかげ)です」と謙遜しつつ、「(逆方向を狙う)ああいう力感で打つことを覚えられた。なかなか練習では学べない、できないんですけど、試合の中でできた。大きい収穫かな」とうなずいた。
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2盗塁に「ピッチャーの癖を見るのは得意。そういうところで勝負」
勢いに乗ったルーキーは続く第2打席でも右前打をマーク。第3打席は死球、第4打席は左飛に倒れたが、最終第5打席は詰まりながらも右前に落とした。それでも口を突いたのは反省だ。「5打席目はエンドランだったので、最悪でも転がさなきゃいけない場面だった。あの打席に関しては悔しい。自分は作戦が出る打者だと思うので、ああいうところで決め切れていない部分があるので、何がいけなかったかしっかり振り返りたいと思います」と唇をかんだ。
三、五回にはそれぞれ二盗を成功させ、足でも魅せた。「ピッチャーの癖があったので、ランナーコーチに『行っていいですか』と聞いて、『いいよ』と言われたので。癖を見るのは得意です。足はめちゃくちゃ速いわけじゃないので、そういうところで勝負してきた」と笑った。
初の三塁守備でも無失策 ユーティリティーぶりを披露
三塁守備はこれまで「記憶にない」とほぼ初挑戦だったが、一度ゴロを前にはじくも素早くカバーし、失策なし。試合途中からは本職の遊撃、二塁にも就いて高いユーティリティ性を発揮した。
松本剛モデルのバットが適合 開幕1軍へさらなるアピール期す
最近使い始めた松本剛モデルのバットが好調の要因の一つだ。プロ入り前に使っていたタイプよりも短く、操作性に優れている。「しっくりきている感じです」と感触は上々だ。昨季、首位打者を獲得した先輩からは「ミスを引きずらない。プロだったら100試合以上あるので、そこで結果を残すためには切り替えも大事」と打席での心構えも伝えられ、参考にしている。
14日の楽天との練習試合では松井裕から対外試合初安打を放つなど、ここまで順調に結果を残してきた。全選手の中でも目を引く活躍を見せているが、油断はない。「まだ自分的には(アピールが)足りないというか、不安というか。1日結果を出しただけでは、自分的にはダメだと思うので。キャンプを通して継続、キャンプが終わってからのオープン戦で継続、それが一番大事になってくる。まだそんなに安心感はないです」と気を引き締めた。目標の開幕1軍へ、快進撃を止めるつもりはない。