【国内男子ゴルフ】スイング改造中の江別市出身・片岡尚之が2023ツアー前哨戦に出場
シーズン前の「HEIWA・PGMチャリティゴルフ」(沖縄)で腕試し
江別市出身で国内男子プロゴルフツアー1勝を挙げている片岡尚之(25)が明日2月25日、男女各20人のツアープロが出場するペアマッチ「HEIWA・PGMチャリティゴルフ」(PGMゴルフリゾート沖縄)に出場する。2023年の開幕を1ヶ月後に控えた前哨戦となる大会。片山晋呉(50)や北田瑠衣(41)ら有名プロを指導した谷将貴氏(50)と昨年11月から取り組んでいるスイング改造の成果を見せる。
片岡が21年の初優勝で得た3年シードは今季まで。今回はツアー外の1日競技だが、男子は昨年の賞金ランク10位で国内18勝の石川遼(31)ら実力者が出場予定。目標は「シード権を取ること。今年中に何が何でも取らなきゃいけない」と掲げた。改造中の新たなスイングはまだ発展途上。「練習でできても、試合やコースで再現するのは難しい。なぜ、できなかったのかも考えながら、スイングにこだわって試してみようと。そこでシーズンへ向けての手応えがあったら」と今大会に臨む。
2年前からショットが不調 谷氏と出会ってヒントを得る
ツアープロコーチ・谷氏との出会いは昨年6月。「2年前から、ショットが全然ダメで」と、突然左右に暴れ出すショットに苦しんでいた。そこで、普段から練習ラウンドなどを共にする同期の大岩龍一(25)に帯同していた谷氏に「ヒントというか、ちょっとワンポイントください」とアドバイスを受けた。スイング改造のヒントはもらったが、まだ正式に契約を交わしていなかったため詳しくは聞けず、それ以降は自力で試行錯誤した。8月の日本プロゴルフ選手権で優勝争いをして2位に入るなど10月末までにトップ10入りは6度を数えたが、ショットには不安を抱いていた。昨年の平均飛距離はツアー51位。平均パット数とサンドセーブ率は2位だった片岡の強みであるグリーン周りでスコアをつくり、何とか戦えていた。
最下位での予選落ちを経験し、自分だけでは解決できないとコーチ契約を決断
ところが、11月の三井住友VISA太平洋マスターズ初日にスコア79、2日目には76を叩き、最下位での予選落ちを味わった。「これはもう自分じゃ(スイングを)直せない。シーズンが終わってからだと今年にも間に合わない」と決心。翌朝、会場だった静岡から都内にある谷氏のスタジオへ車を走らせた。
まず、谷氏からは覚悟を問われた。「どのようなシフトチェンジをするのか―。ちょっとだけ変えて何とかやっていくのか、それともガラッと変えて長く戦っていける選手になりたいのか」。新たなスイングの完成には1年近くかかることも説明され、「僕は長く活躍したいので、そっちでお願いします」と後者を選び、プロ入り後初めてコーチ契約を結んだ。
これまでのスイングとは真逆 再現性の高い安定したフォームを目指す
そこからは「打ち方は全然違う。今までの打ち方は捨ててます、真逆ぐらい」。最初は、時計の針で言うと4時から8時のインパクトゾーンを固め、少しずつ振り幅を大きくしていった。それまではインパクトからのフォロースルーで腕をコンパクトに畳んでいたが、「それだとインパクトが短くて、点になっちゃう」。さらにテークバックではフェース面の開閉をなくし、ダウンスイングからフォロースルーにかけて手打ちにならないようにしっかりと体全体でインサイドアウトを意識。大きなフォロースイングをつくり出すことで、再現性の高い安定したフォームを目指している。
2月5日からの宮崎合宿では「一週間、7番アイアン1本だけで4000球以上打った」
今年2月5日からは谷氏や大岩らと7日間の宮崎合宿を敢行した。ステージは第2段階に移っている。「一週間、7番アイアン1本だけで4000球以上打ちました。ハーフショットから最後はスリーククオーターぐらいまでできた」と、徐々にフルショットに近づいている。スイング改造と平行して本格的な体づくりにも着手。「ゴルフも、一瞬のバンっていう瞬発力が必要。飛距離もアップする」と、瞬発系トレーニングを取り入れ、飛距離の向上も目指している。
国内メジャータイトルの一つ、日本プロゴルフ選手権大会が今年7月に恵庭CCで開催される。地元で初のメジャータイトル獲得には、「それができれば一番良いんですけどね。まだ種巻きの段階。今は結果に固執しないように、しっかりとスイングを固めていく。結果が出なくても、へこたれずにやっていきたい」。焦らず、じっくりと。まずはこの試金石となる大会で手応えをつかみ、最良のスイングを手に入れてみせる。