Vリーグ
2023/02/18 21:00

来季Vリーグ参入のアルテミス北海道 「#かわいい担当」小室が今季最後の公式戦で躍動

来季のVリーグ入りが決まっているアルテミス北海道の小室(撮影・西川薫)

■全国6人制バレーボールリーグ総合男女優勝大会東部女子決勝リーグ(18日、江別・北翔大)

▽第2戦 アルテミス北海道3-0トヨタ自動車サンピエナ ▽第3戦 アルテミス北海道3-0東京REDHEARTS

19日に東部連覇懸け山梨中央銀行と全勝対決「ここで結果を残してVに」

 来季、道内初のVリーグ女子への参入が決まっているアルテミス北海道が、今季最後の公式戦となる全国6人制総合男女優勝大会に出場。北翔大で18日に行われた東部決勝リーグ2試合で連勝した。エースのOH小室祐里(27)はアタックで25得点、サービスエースとブロックも1本ずつを決めてチームトップ27得点。チームの〝かわいい担当〟が、初の全国タイトル奪取をけん引し、来季のVリーグへ弾みをつける。

 ダブルヘッダー2試合目の東京REDHEARTS戦。最終セットのマッチポイントで最後は小室の豪快なバックアタックが決まり、3連勝を引き寄せた。これで2位以上が確定し、グランドチャンピオンマッチの出場は決定。「Vリーグに上がる前、この試合が最後なので、しっかりここで結果を残してVに行きたい」。19日の最終戦では東部の2連覇を懸けて戦う山梨中央銀行との全勝対決を見据えた。

コート内外でチームの顔「プレーになると変わるぞっていうところも見せたい」

 コートの内外で愛らしい笑顔を見せる小室。普段はセッターの奥山優奈(27)とともに広報を担当するが、公式ツイッターでは「#かわいい担当」として紹介されている。成田郁久美監督(47)も「チーム公認で、やらせていただいてます(笑)」と、まさにチームの顔となっている。

 小室本人は「照れますよ。普段はそういう感じでも良いんですけど、プレーになると変わるぞっていうところも自分の中では見せたい」。その言葉通り、この日も躍動感あふれるプレーを見せた。身長167センチながら、最高到達点はチーム最高の295センチ。この日の2試合ではアタック25得点のうち7本がバックアタックで、もう1人のバックアタッカーOH真田知紗都(25)と攻撃の中心を担っている。

自身は4季ぶりのVリーグ「1試合くらいしか出ていないので新鮮」

 美瑛町で生まれ、南富良野町で育ち、札幌大谷高からは東京の嘉悦大に進んだ。19年春にV2・GSS東京に入団も1シーズンで退団。その後、地元・北海道にアルテミスが発足することを知り、21年6月に加入した。来季は4季ぶりにVリーグに復帰するが「1試合くらいしか出てないので新鮮な気持ち。このチームでVリーグに行って、どんどん勝っていく」と気合が入っている。

 現役時代にNECや久光製薬で活躍し、2度の五輪出場を経験した成田監督としては、今の試合内容ではまだ物足りない。「サーブで攻めて、ブロックでしっかり仕留め、ブレークをしっかり取って、連続得点していくところを重要視して、今まで取り組んできてるけど、今日に関しては、そこの繋がりが全くなかったかな」。Vリーグ参入を見据え、選手に求めるハードルは高い。体づくりなど、リーグが開幕する来秋までにやるべき事は山積みだ。

レバンガ、日本ハムと北広島盛り上げる 成田監督「刺激になる、勉強させていただきたい」

 2020年に発足し、クラブとしては順調に推移している。コロナ禍もあった中、当初の計画通り昨年10月にVリーグ参入のライセンスを取得。来季は現在のV2、もしくはV3が新設された場合に、そこからのスタートとなる見込みだ。本拠地は北ガスアリーナ札幌46に決まり、下部組織も創設した。釧路で小学生の冠大会も開催しており、今後は活動の幅を全道へと広げていく。

 チーム発足時から練習拠点は北広島市。アルテミスは昨年2月、サブホームタウンとして同市と連携協定を結んだ。同12月には、男子バスケットボールのB1レバンガ北海道も同市と連携協定を締結。今年3月にはプロ野球の日本ハムが本拠地を移すこともあり、成田監督は「市の方からも、3チームと合同で何か子供たちのためにできるようなイベントとかを今後、考えていきたいという話もいただいた。私たちにとっても、すごい刺激になるし、プロスポーツの先を走ってるチームなので、勉強させていただきたい」と期待を膨らませる。日本最北のVリーグ女子クラブとしての挑戦が、徐々に本格化していく。

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