侍ジャパンの伊藤 憧れのダルとブルペンで初共演 「追いロジン」も披露
日本代表合宿でダルと並び投球練習 「ソワソワしながらでした」
憧れの人と〝初共演〟だ。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する日本代表の日本ハム・伊藤大海投手(25)が18日、宮崎で行われた強化合宿で初のブルペン入り。オフに合同自主トレを行った米大リーグ・パドレスのダルビッシュ有投手(36)と並んで投球練習を行った。
背後で投げるダルビッシュの球筋を伊藤はチラ見していた。ほぼ同時に投球練習を開始し、多彩な変化球を交えて35球を投げた。捕手の後方では投手陣がメジャー右腕のピッチングを凝視しており「(僕も)普通に見たかった」と苦笑い。「憧れの存在というか、自分が夢をもらった人の横で投げているということで、ソワソワしながらでした」とドキドキだった。
ダルも高評価「コントロールが良い形でまとまっていた」
投球を開始する前には「一番に準備できていたんですけど」と言うものの、どのレーンを使っていいか右往左往。結果、ダルビッシュ、今永(DeNA)という先輩2投手に挟まれる形となった。緊張感が高まる中、「2人に引き出させてもらえて、うまいこと投げられたかなと思います」と集中。投球後にはダルビッシュと会話を交わし、「コントロールが良い形でまとまっていたねと言っていただきました」とお褒めの言葉をもらった。
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独特の雰囲気が漂う中でも、伊藤大海らしさを存分に発揮した。前日17日の全体ミーティングで、愛用するNPBのロジンバッグが使用できることが判明。この日は1球ごとに〝追いロジン〟をして、気持ちよさそうに白い粉を舞わせた。いつも以上にモクモクさせているように見えたが「あれがデフォルト(基本)です」とニヤリ。「しっくりくるというか、慣れているので、投げている感じもすごく良かった」とうれしそうに振り返った。
「サミングボール」も披露 代名詞の超スローカーブ
そして計測不能の〝魔球〟を繰り出し、ざわつかせた。天井の高さを確認してから、超スローカーブを2球投じた。「2球目は良かったけど、1球目はちょっと抜けたので。ダルさんも『なんやそれ』って」と照れ笑い。ブルペンの天井に高さがなく「もうちょっと(高く)いきたかったんですけど」と悔やんだが、国際大会での秘策となりえそうだ。
WBC本番でも投げる可能性を示唆しており、沖縄・名護キャンプ中からインパクトのある名称を考えていた。趣味の釣り用語から「サミングボール」と自ら命名。サミングとはルアーフィッシングでの定番テクニックのことで「釣りでベイトリールというのがあって、親指で糸の出を調整するんです。そのカーブも親指で調整しているのでサミングボールで」と説明した。
新たな名称は浸透するのか―。大きな弧を描く「サミングボール」で打者を幻惑し、道産子右腕が世界一を釣り上げる。