札幌〝GK菅野の1ミリ〟 敵地・広島で開幕戦も再三のビッグセーブで勝ち点1ゲット!
■J1第1節 札幌0-0広島(18日、エディオンスタジアム広島)
カタールW杯〝三笘の1ミリ〟を思い出させるギリギリのラインで死守
〝菅野の1ミリ〟で、大きな勝ち点1をつかみ取った! 敵地でサンフレッチェ広島とのJ1開幕戦に臨んだ北海道コンサドーレ札幌は、終始相手にペースを握られる苦しい展開を強いられたが、GK菅野孝憲(38)の再三のスーパーセーブでゴールを守り切り、0-0の引き分けに持ち込んだ。次節はいよいよホーム開幕戦(2月25日)で、神戸を札幌ドームに迎える。
強烈ヘッドに左足で反応 足が触れたのはゴールラインよりも後方もVARでノーゴール
後半29分、広島MF川村拓夢(23)が放った強烈なヘディングシュートが札幌ゴールに襲いかかったが、菅野が素早く反応して左足を伸ばし、ボールをストップした。足が触れたのはゴールラインよりも後ろ。ボール全体がラインを越えていたら広島のゴールが認められてしまう瞬間だった。ゴールラインを割ったかVARでの確認が行われたが、「自分ではちゃんと(止めた)確信があったので、落ち着いて待ってました」との言葉通り、結果はノーゴール判定。カタールW杯の日本対スペイン戦で、MF三笘薫(25、ブライトン)がラインギリギリからクロスを上げて勝ち越しゴールをアシストした〝三笘の1ミリ〟を思い出させるようなシーンだった。最大のピンチを乗り切った札幌は、その後も広島の攻撃を耐え抜き、敵地で貴重な勝ち点1をゲットした。試合後は「勝ちたかったけど、最低限アウェーで勝ち点1というのはポジティブに捉えられるんじゃないかな」と話した。
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注目された守護神争いに勝ち抜き、沖縄キャンプ序盤から常に1番手で起用
今季、2015年から20年途中まで守護神として活躍したGK具聖潤(28)が復帰した。具聖潤の兵役中、札幌のゴールマウスを守り続けてきた菅野と正GK争いに注目が集まっていたが、沖縄キャンプの序盤から常に1番手で起用されてきたのは菅野だった。起用を決めたミハイロ・ペトロヴィッチ監督(65)は、試合後の会見で「我々のGK菅野が2回、3回と相手の決定機を素晴らしいセーブで止めてくれた」と称賛の言葉を贈った。
今年初の無失点試合に「前を向いて結果と共に進んでいける。すごく大きな試合になった」
キャンプ中の練習試合では、出場した試合(非公開試合除く)で失点し、11日の熊本戦では4失点を喫してしまった。「うまくいかない時期っていうのが絶対にあって、みんなが本当にもがき苦しんだ中で、練習試合も通して無失点で終われたのも(今季)初めて。そういう意味では、前を向いて、結果と共に進んでいけるのかな。すごく大きな試合になった」。13本のシュートを浴びたものの、チームメートとともに90分間、体を張り続け、ようやく今季初の無失点試合を達成。チームもこの試合をきっかけにして上昇カーブを描いていける。
「とにかく僕たちは地に足をつけて、本当に一日一日コツコツ、コツコツ積み重ねていくことが大事。明日から新しい調整も始まる中で、一人一人戦っていきたい」と次節への意気込みも見せた。激しい競争を勝ち抜いて開幕スタメンに選ばれたが、この日がゴールではない。今年39歳を迎えるベテランが、日々の鍛錬を積み重ね、正GKの座も守り抜いていく。