ファイターズ
《岩本勉のガン流F論》 谷内 飯山コーチと重なる「縁の下の力持ち」
失策が絡み、同点に追いつかれた四回。内野安打と死球でもらった好機に、谷内が見事に応え、決勝打を放った。守備のエキスパートだが、苦しい状況に陥った時こそ本領を発揮する。その集中力に脱帽だ。これまでも守備や野球に対する真摯な姿勢にどれだけ救われてきたことか。そんな彼が堂々の主役を張った。
一塁上で谷内に寄り添うように声をかけた飯山コーチとダブる。勝負を懸ける時に監督が目にする選手ボード。「誰にしようか」という迷いではなく、「(飯山)裕志いくよ」という声がよくベンチで聞かれた。今は「谷内いくよ」が試合を締める合図でもある。
守備に就き、後ろにいてくれるだけで投手は安心する。打球が向かった瞬間にホッとする。陽は当たらなくても、縁側の下を支える柱は絶対にぶれることはない。プロ野球はそんな「縁の下の力持ち」の存在があってこそ、発展してきた。
この日、生ボイスを初めて耳にした方も多いだろう。攻撃的かつ堅い守備とは裏腹に、優しく実直さあふれるヒーローインタビューで谷内ファンは急増間違いなし。ここぞで披露するレベルの高い技がチームを支えている。日本ハムファンの皆さん、ぜひ谷内のプレーを見に来てください。(本紙評論家)