侍ジャパン伊藤 〝ダル流〟ブルペン見学で刺激 さらなる飛躍期す
ダルの号令でブルペンに集結 佐々木朗の投球に熱視線
ダル流を継承だ。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に臨む日本代表の日本ハム・伊藤大海投手(25)が19日、宮崎で行われた強化合宿に参加。米大リーグ・パドレスのダルビッシュ有投手(36)らと共に佐々木朗希(ロッテ)、山本由伸(オリックス)らのブルペン投球を見学した。
ダルビッシュの声かけで、伊藤ら投球練習を行わない投手がブルペンに集結した。「朗希の時はロッカーでダルさんが『やることないならプレッシャーをかけにいこう』とみんなで行きました」とニヤリ。捕手後方に陣取り、佐々木朗に熱視線を送った。
試合で投げ合ったことはあっても、真後ろからピッチングを見るのは初めてだった。「ボールが強いですし、フォークはそのまま加速して落ちていく感じなので、すごかったですね」と仰天。ヒントになるかと問われると「いやいや、まねできないです」と目をぱちくりさせた。
沢村賞右腕のピッチングに驚がく 「あれは打てないです」
その後、コンディショニングメニューを消化し、再びブルペンへ。エース格の山本、チーム最年少の高橋宏(中日)らの投球を食い入るように見つめた。真後ろから球界を代表する投手のボールの軌道を目の当たりにし「みんな共通して真っすぐが強いし、変化球が強いなと。見ていたら自信なくしました」と弱気になるほどだった。
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ブルペン見学を終えて「やっぱりすごいっすね」と名を挙げたのは、2年連続パ・リーグ投手4冠の山本。「変化球(の球種)を(事前に)伝えられていないと分からない。フォーク、ツーシームもカットボールも本当ギリギリまで曲がっていない感じで、最後にキュッと動く。あれは打てないです」と脱帽した。
憧れのダルに再び感謝 日々充実の日本代表強化合宿
前日18日にはダルビッシュ、伊藤らのブルペン投球を佐々木朗らの若手投手陣がこぞって見学。強化合宿では互いのピッチングをチェックするのが、おなじみの光景になりつつある。伊藤はオフに米国でダルビッシュと合同で自主トレ。パドレスの本拠地ペトコ・パークでも、メジャー投手のピッチングを見ることが多かったという。「僕とダルさん以外にも投手の方がいて、ブルペンで他の選手がどういう取り組みをしているのか見るんですよ。逆に1人にしておくと、興味がないと思われる。ダルさんはそういうのも浸透させようとしてくれていると思います」と明かす。
投手陣はチーム最年長のダルビッシュを中心に一致団結。見て学ぶだけではなく、意見交換も活発に行われている。「こういうところに来る人は向上心もある。そっくりそのまま、まねしようじゃなくて、自分のための引き出しを増やす。ダルさんが起点でそういうことをしてくれています」。一流選手の技術を吸収できる、またとない機会。さらなるレベルアップへ、伊藤にとって学びの場になっている。