■練習試合　日本ハム９－６中日（２１日、沖縄・Ａｇｒｅスタジアム北谷）

下手投げ２年目「意図的に打たせて取ることできている」

　変則右腕が強竜打線を手玉に取った。日本ハムの鈴木健矢投手（２５）が２１日、沖縄・北谷で行われた中日との練習試合に先発登板。３回３安打無失点の好投で、開幕ローテーション入りへ前進した。打者１１人に対して無四球と制球力でもアピール。「四球を出したらリズムが悪くなって、僕のピッチングではなくなる。ストライク先行でどんどんゾーンに投げられて良かった」と、充実の表情を浮かべた。

　アンダースローに挑戦してから丸一年。マウンド上での冷静な振る舞いが成長を物語る。二回には連打で無死一、二塁とされたが、後続を空振り三振と一ゴロ併殺に仕留めピンチを切り抜けた。「思い描いた感じで投げられた。昨年のフェニックス・リーグからゴロを打たせる練習をしてきた。意図的に打たせて取ることができている」と、投球内容に手応えを得ている。

伏見と初バッテリー「（カーブの）いろいろな引き出しや使い方がある。すごく投げやすかった」

　打者の反応をつぶさに観察し、駆け引きをする余裕がある。球種による緩急だけでなく、時にはクイックモーションを交えてタイミングを外している。「中継ぎをやっていたときは、とにかく自分の良いボールを投げたい気持ちだった。先発で長いイニングを投げることによって、打者を見ながら投球ができるようになった」。配置転換と投球フォームの変更が、プラス作用をもたらした。

　新たな発見もあった。この試合ではオリックスから加入した伏見と、初めて実戦でバッテリーを組んだ。「寅威さんがうまく自分の良いところを引き出してくれた。カーブを２球続けて投げることはなかったので、いろいろな引き出しや使い方があるんだなと思った。すごく投げやすかったです」と、年上の女房役を絶賛した。成長著しいサブマリンは、投球の幅をさらに広げてローテーションの一角を狙う。