【道スポ評論家が直撃】④吉田輝星 同世代には負けたくない 割とちゃんとやってます(笑)~開幕前特別企画~
「じっくり話をするのは初めて」という2人が本音でトーク
日本ハムOBで道新スポーツ評論家の鶴岡慎也氏(41)が、沖縄・名護で春季キャンプを行う選手たちと本音で語り合う特別企画。第4回のゲストはプロ5年目を迎えた甲子園のヒーロー・吉田輝星投手(22)が登場です。18年夏に金農旋風を巻き起こした右腕は、成績以上に注目されることをどう感じているのか―。率直な思いと今季に懸ける意気込みを鶴岡氏に明かした。
甲子園で全国的に有名になった頃「途中からちょっとそれが嫌だった…」
鶴岡氏(以下、鶴)「輝星とは3年間一緒にプレーしたけれど、じっくり話をするのは初めてだね。まず聞きたいのは、甲子園で一躍全国的に有名になった時のこと。その時はどういう気持ちだったの?」
吉田(以下、吉)「いろんな人に話しかけられて、指差されるようになったのはちょっとうれしかったです。元々目立ちたいタイプ。でも、途中からちょっとそれが嫌だったですね。甲子園が終わってからは、外を出歩けませんでした」
鶴「俺はドラフト8位のテスト入団と、地ベタから入ったけれど。ドラフト1位で入って、やっぱり実力以上のものを求められたでしょ。それについて葛藤はあった?」
吉「僕も小中高は有名な状態で入っていない。注目されながらやるのは、初めてだったかもしれないです」
プロ初先発初勝利は「楽しかった。怖さを知らない感じでした」
鶴「結果を求められて、1試合目(2019年6月12日広島戦)は(石川)亮と組んだ試合だったよね。いいピッチングして初先発初勝利。その試合が終わった後はどんな感想を持った?」
吉「正直言うと、めっちゃワクワクしたというか、楽しかったです。怖さを知らない感じでしたね」
鶴「今はだいぶ怖さを知って今年で5年目。同学年では戸郷なんかが巨人のエースになって、実績的に上を行っている感じがある。同い年の選手に対しての思いはある?」
吉「負けたくないです。一番活躍したいというのはあるし、ジェームス(野村)は僕より先にちゃんとレギュラーになって。マンチュー(万波)とジェイとは普段からそういう話を3人でします。キャンプに入ってからも、謎に3人でよく飯に行っているんですよ」
鶴「ドラ1で入ってきたから、一番活躍したいって思いもあるんだろうね。話は変わるけれど松坂(大輔)さん、(斎藤)佑ちゃん、田中マー君(将大)とかも、甲子園で球数を投げて、プロに入ってきて大きなけがしている。高校時代に881球を投げたことに対して、周りから言われたことはある?」
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吉「投げすぎだろ、みたいな感じのことは結構言われましたけど、高校時代の追い込み期間は周りと比にならないくらい投げ込みしていました。甲子園で投げて、筋肉痛とかもありませんでした」
鶴「何球でも投げられる。まさに先発完投型だね。プロ入ってからは体のケアはもちろん、強化もしないといけない。独自のものはあったりする?」
今年から投てき選手の練習法で自分の体を最大限使い切るようなトレーニングに移行
吉「1年目は2月からピッチングしなさいって言われて、肘が痛いというのはありましたけど。去年である程度流れをつかんで、今は自分のやりたいようにやれています。今年からは投てき選手の胸椎の使い方のトレーニングを取り入れています」
鶴「(オリックス山本)由伸とかがやっている感じ」
吉「ジャベリックスローはしないですけど、棒体操あるじゃないですか。あれを40キロの重りでやったりとか、胸郭がめっちゃ鍛えられる。自分の体を最大限使い切るような方向に移行しています」
鶴「初めてこうやって話をしたけど、意外にいろいろ考えてやっているんだね。吉田輝星を見る目がちょっと変わったよ。見直したというか…」
吉「ハッハッハ。僕はアホだと思われているので。雰囲気はワーって感じなんですけど、割とちゃんとやっています(笑)」
鶴「(伊藤)大海ともめっちゃ仲良いよね」
吉「大海さんは下半身は細いけど上半身がデカいじゃないですか。上半身の大きい筋肉を使うのがすごく上手。なんであんなに筋肉が付いて投げられるんだろうと、どういうトレーニングしているんですかと聞いたりしています」
トークは趣味の釣りの話題へ… 道スポの釣り企画「YouTube見ましたよ(!!)」
鶴「釣りにも一緒に行くらしいね。ちなみに、道新スポーツで、1月に釣り企画をスタートした。知ってる?」
吉「釣りのYouTube見ましたよ。釣りを始めてから、気持ちの切れる時間が大分長くなりました。野球のピッチングにも、ワンチャンつながらないかなと思っています」
鶴「つながっていると思いますよ。大海と2人で活躍してくれたら、釣り企画のオファーも出しやすい」
吉「活躍しないと注目してもらえないので。取材が増えたりとかしたら、楽しみでもあります。基本的に人に見られていないと、マジでやる気ないので」
「いまは社会人として大人の紳士っぽい感じになりたいなと思い始めてます」
鶴「やっぱり人に見られてやる気が出るタイプってことは生粋のスター性があるということ。それは甲子園の時から、始まっているんだね。でも、今は高校時代の吉田輝星とは全然違う感じになっている。プロ野球選手になった」
吉「いまは社会人として大人の紳士っぽい感じになりたいなと思い始めています。落ち着いている人がかっこいいなって」
鶴「チームで落ち着いていてかっこいいなと思う人は? 俺は建山(義紀1軍投手コーチ)さんとかめちゃくちゃかっこ良かった。立ち振る舞いとか発言とかも。あんな風になりたいなと思っている」
吉「上沢(直之)さんですかね。感情の起伏が激しくなくて、誰にでも対等に接してくれます」
鶴「冗談も言えるしね。目指すべき先輩は、間違っていないと思うよ!」