【国内女子ゴルフ】道勢10人目の優勝者は誰だ! 23年注目の若手道産子プロを紹介 ①阿部未悠
3月2日に23年シーズンが開幕 今季初優勝が期待される道産子2選手
〝ポスト小祝〟は譲らない! 2023年シーズンの国内女子ゴルフツアーが、3月2日~5日のダイキンオーキッドレディス(沖縄・琉球ゴルフ倶楽部)で開幕する。今年の試合数は38試合で、北海道開催は新設のミネベアミツミレディス北海道新聞カップ(7月6日~9日、札幌・真駒内CC空沼コース)を皮切りに4試合を予定している。道新スポーツWEBでは開幕に向け、19年の小祝さくら(24、ニトリ)以来4年ぶり10人目の道勢優勝者誕生が期待される2人の若手道産子プロを紹介する。1人目は本格参戦した昨年に初シード権を獲得した恵庭市出身の〝プラチナ世代〟阿部未悠(22、ミネベアミツミ)。
初のシード権を獲得した阿部未悠 スイング改造で初Vに手応え
今年1月中旬から松山英樹(31)らを指導した目沢秀憲コーチ(31)の下でスイング改造に着手した阿部。2月上旬に行われた宮崎合宿では、パターやコースマネジメントを強化し、自身の引き出しを増やした。「前よりもボールが強くなった。今季こそは初優勝、そして複数回優勝。優勝したら、その勢いをなくさないで狙っていきたい」と、手応えを感じて新シーズンに突入する。
昨年は開幕から3試合連続予選落ちとスタートダッシュに失敗した。「開幕だからといって、別に身構える必要はなかった。ある程度の状態までもっていけていたら、そこからどんどん調子を上げていければ良かった」。苦い経験を無駄にせず、今年の開幕は長いシーズンの1試合と捉え、気負わずプレーに集中する。
昨年5月に自身レギュラーツアー最少タイの5アンダー、スコア67をマーク
国内最高峰の舞台で戦える手応えをつかんだ。同5月8日の国内メジャー第1戦・ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップの最終日。自身レギュラーツアー最少タイの5アンダー、スコア67をマークした。順位は47位タイから一気に20位タイへジャンプアップした。その直前までは9試合中6試合で予選落ちと苦しんでいたが、「去年イチ難しかったんじゃないかなというセッティングでアンダーが出せた。ここから良くなって、ちょっと上に行けそうな雰囲気が出た」と視界が開けた。
ホールインワンでベンツ購入 所属先も決まり環境一変
スーパーショットで環境が一変した。同29日のリゾートトラストレディス最終日、12番パー3でプロ初のホールインワンを達成。その時の映像を見て感動したというミネベアミツミの貝沼由久会長兼社長がすぐにサポートに名乗りを挙げ、そのまま所属先に決まった。阿部は「頑張ってきて良かった。自分のプレーを見てくれる人がいるんだ」とそのバックアップに感謝する。さらにその賞金800万円を使って走行距離が15万キロを超えていた移動用の車を更新し、大奮発してベンツのGLEを購入。「燃費がめっちゃいいんです」と、お気に入りの1台を手に入れた。
同じ北海道出身の菊地絵理香と同所属「ワンツーフィニッシュできたら最高」
今年7月には所属先のミネベアミツミのツアーが地元・北海道で初開催される。北海道出身の先輩で、ツアー5勝の菊地絵理香(34)も同じ所属。「事務所の先輩だし、地元の先輩だし、ワンツーフィニッシュできたら最高ですよね。勝負なんで負けたくないですし、それがもし初優勝が懸かっていたら絶対に負けたくない。面白い試合ができたら一番」と、ホステス大会を盛り上げて恩返しするつもりだ。
昨年の大みそか、数年がかりで追い求めてきた〝獲物〟をついに仕留めた。趣味のデジタル一眼レフカメラを持って仲間と江別・野幌原始林で2時間以上歩き回り、念願だったシマフクロウを写真に収めることができた。フクロウは「苦労がない=不苦労」と縁起の良い動物とされており、「縁起を持って来てくれればいいな。次は起きているフクロウと冬のシマエナガも撮りたい」。勝負事には運も必要。シマフクロウの御利益も受け、初優勝へと加速する。