札幌キャプテン宮澤 3年ぶり全面声出し応援を背に今季初勝利狙う 25日ホーム開幕神戸戦
北海道コンサドーレ札幌は24日、今季のホーム開幕戦となる25日の神戸戦(午後3時キックオフ)に向けて、試合会場の札幌ドームで前日練習を実施。パス練習や11対11などで最終調整を行った。
今季もキャプテンマークを左腕に巻くMF宮澤裕樹(33)。札幌一筋16年目の道産子が、ホーム初戦を待ちわびた大勢のサポーター、そして共に寮生活を送った先輩の目の前で、今季初勝利をつかみ取る。
「この雰囲気でサッカーをやれる喜びを感じています」
1月8日に行われたキックオフイベントからおよそ1カ月半。赤黒の勇者たちがついに札幌の地へ帰ってきた。「いい環境で、芝の状況も良さそうですし、この雰囲気でサッカーをやれる喜びを感じています」と、慣れ親しんだ札幌ドームのピッチでの約1時間の練習を振り返った。
今季開幕戦となった18日の広島戦では、なかなか攻撃の形をつくることができず、放ったシュートはわずか5本、無得点に抑えられてしまった。「アグレッシブに攻撃を仕掛けていくことが大事。開幕戦は大味なゲームになってしまった。ボールを保持しながらサッカーをしていくというのが札幌のサッカーですし、そこを継続しながらやっていくことが大事」と、6年間積み上げてきたミシャサッカーの攻撃力で現状を打破し、勝利に結びつける。
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相手はJ1屈指のスター軍団神戸だ。MFアンドレス・イニエスタ(38)は家庭の事情により帰国中のため欠場となるが、FW大迫勇也(32)やFW武藤嘉紀(30)、MF山口蛍(32)、DF酒井高徳(31)など日本代表経験者が数多く在籍する。「個人の能力が高いなという印象があります」と警戒する難敵に対して「チームとしてしっかり対応して、まずは局面で一人一人が負けないことが大事。ホームでやれるので、しっかり戦って勝ち点3を取りたい」と、地の利を生かしながらチーム一丸となって戦いを挑む。
「サポーターの声援を受けてドームでやる素晴らしさを感じてほしい」
サポーターにとって、そして選手にとっても長く待ちわびた一戦だ。Jリーグは今季からスタジアム来場数を上限100%とし、全席での声出し応援を可能とした。発声時にはマスクの着用が必要ではあるものの、コロナ禍以前のスタジアムの熱狂がようやく戻ってくる。札幌のホームゲームでは2019年12月7日川崎戦(札幌ドーム)以来3年ぶりの〝声出し応援完全解禁〟。「楽しみですよね。自分たちはそういう環境で今までやってきたけれど、それを経験していない選手もいますし、そういう選手が改めてサポーターの声援を受けてドームでやる素晴らしさを感じてほしい。間違いなく自分たちの背中を押してくれますし、力になると思うので、期待に応えられるように。声援を楽しみたいです」と、会場全体からの声援を力に変えて90分間全力で戦い抜く。
上原慎也、藤田征也の札幌OB2人がトークショー
神戸戦には、宮澤と共にプレーし、昨季限りで現役を引退した2人の札幌OBが来場して、試合前にトークショーを行う。「よく会っている」というFC琉球クラブコミュニケーターの上原慎也さん(36)と、札幌のアカデミースタッフに就任する藤田征也(35)だ。宮澤にとって藤田は、プロのキャリアをスタートさせた年に、寮で生活を共にした2年上の先輩だ。「すごく良くしてもらいました。そういう人が(プロを)辞めてしまうのは残念ですが、まだまだ自分ができる姿を見せたいです」。そして藤田にもうひとつ見せたいものがある。「征也くんがいた頃とはコンサドーレの規模だったり、チームのパフォーマンスも上がっている。僕だけじゃなくて、そういうところも見てもらえれば」と、自身と共に大きく強く成長してきた札幌の姿を先輩の目の前で披露する。
「ピッチで躍動する姿を見せて、何かが皆さんに伝わるように。W杯でサッカー熱が上がってますから、北海道を盛り上げて行けるように自分たちもプレーしていきたいです」とホーム開幕戦への意気込みを語る。日本代表の健闘で、全国を盛り上げたカタールW杯の閉幕から2カ月。今度は宮澤率いる赤黒軍団が、全道に熱狂と興奮をもたらすべく、今季初の白星をつかみ取る。