清水 途中出場でサヨナラ打 正捕手争い真っただ中で猛アピール
■オープン戦 楽天4ー5日本ハム(25日、沖縄・タピックスタジアム名護)
同点の九回1死二塁 右翼フェンス直撃の殊勲打
崖っぷちを自認する男が意地の一打でアピールした。日本ハムの清水優心捕手(26)が25日、沖縄・名護で行われた楽天とのオープン戦に途中出場。同点で迎えた九回1死二塁の好機でサヨナラ打を放った。今春のキャンプは2軍から始まったが、本当の勝負はこれから。約1カ月後に迫るシーズン開幕へ向け、一気の追い上げを見せるつもりだ。
1死から代打・奈良間が二塁打で出塁。気迫あふれるヘッドスライディングを見届けて、心にスイッチを入れた。「奈良間がいいヒットでセカンドまで行ってくれたので、負けない気持ちで打席に入った。少ないチャンス。結果を残したいと思っていた」。変化球を振り抜くと、高く舞い上がった打球は右翼フェンスを直撃。鮮やかな一振りでオープン戦初戦を勝利に導いた。
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キャンプ2軍スタートにもめげず レギュラー奪取へ虎視眈々
プロ9年目を迎えた今季、レギュラー獲得への道のりは例年以上に険しい。オリックスからFAで移籍してきた伏見寅威捕手(32)や宇佐見真吾捕手(29)ら、チーム内にライバルが多数いる。2軍スタートとなった事実は現在の立ち位置を表している。それでも「ファームにいる時も『絶対に下克上してやる』と周りに言っていた。名前も実力もある2人ですけど、爪痕を残したい気持ちはある」と、逆転での定位置獲得を諦めていない。
阪神・梅野らと過ごした自主トレ期間には、メンタル面の重要性を再認識した。「捕手は他のポジションの人には分からない気持ちがある。話を聞いて、いろいろなことを心に入れた」。浮き沈みしがちな自らの性格を見つめ直し、「1つの行動にとらわれすぎないようにしている。練習も試合も切り替え。すっきりした気持ちで次に行けていると思う」とフラットな精神状態を保ち、パフォーマンスにつなげている。
開幕まで1カ月 一日一日が勝負 「2軍からはい上がって結果を残す」
キャンプ最終盤。背水の覚悟を持って、貴重な一日を過ごしている。「2軍からはい上がって、結果を残す準備をしてきた。もう簡単にチャンスをもらえる年齢ではない。自分で取りにいかないと長く野球ができなくなる。野球と向き合わないといけないと、すごく感じている」。胸に抱く危機感を原動力に変えて、扇の要を奪いにいく。