ファイターズ
《ハム番24時》2月25日
同点の九回1死二塁。一打サヨナラの絶好機を迎え、ベンチの新庄監督はひらめいた。「最後、清水君のところで代打、八木さん(打撃コーチ)でいこうかな」。八木コーチと言えば、トラ党があがめた代打の神様。そのアイデアを本人にも伝えたようで「真っすぐはちょっと今、打てないかな」と拒否されたそう。
もちろん、これは新庄監督ならではのリップサービスで、記者も楽しく笑わせてもらった。ただ同時に、日本ハムの代打の切り札と言えば誰が当てはまるのか、気になり記憶をさかのぼった。
北海道移転後だと、坪井(独立リーグ石狩監督)、二岡(巨人2軍監督)、矢野(日本ハムアマスカウト)が思い浮かんだ。3人ともどこか、職人気質の「渋さ」を感じさせるプレーヤーだった。
彼らのように終盤の勝負どころで「いける!」と思わせる打者は決して多くない。独特のオーラをまとい、球場の空気を一瞬で変える。今季のファイターズに代打の神様は出現するか―。そんな視点で適任者を探してみるのも、面白い。