二刀流ルーキー矢沢 また打った! オープン戦第1号は初球先頭打者弾!
■オープン戦 阪神6ー8日本ハム(26日、沖縄・タピックスタジアム名護)
右翼ポール際へ流れを引き戻す一発 プロ初のトップバッター起用に満点回答
人生初の初球先頭打者アーチ! 日本ハムのドラフト1位ルーキー・矢沢宏太投手兼外野手(22)が26日、沖縄・名護で行われた阪神とのオープン戦に「1番・右翼」で先発し、一回に右翼ポール際へ1号ソロを放った。「自分が投手ならどうするか」と、投打二刀流ならではの思考法で配球を考え、西勇が投じた1球目の変化球を狙い撃ち。2打席目も右前に運び、3打数2安打1打点と躍動した。ここまで対外試合は6試合に出場し、2本塁打を含む13打数9安打4打点。新人離れした活躍で、開幕スタメン入りを猛アピールしている。
プロ初の1番起用に、1球で応えた。一回、対外試合初となる右翼守備からベンチに戻ると、「(準備が)間に合っていなかった。アナウンスされてからバットに重りをつけて、スプレーして、2回くらい素振りして。てこずった」と慌ただしく入った第1打席。初球をフルスイングすると、強烈な打球があっという間に右翼フェンスを越えていった。
変化球狙いズバリ! 経験豊富な右腕からの一発は自信に
大学時代に先頭打者本塁打の経験はあったが、初球は人生初。プロ通算110勝右腕から打ったオープン戦1号に「ちょっと(バットの)先っぽで、切れるかなと思ったけど、そのまま入ってくれて良かった。初球の変化球を狙っていました。長く野球を続けてきた素晴らしい方から打てたので、うれしかったです」と声を弾ませた。
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頭の中は事前にしっかり整理されていた。普段から、打者として打席に立つ際には「(自分が)投手だったらって考えます」と、二刀流だからこそできる考え方で準備する。この日も試合前に西勇のデータを入念にチェックし、「僕が投手でも、新人相手に初球いきなり真っすぐで入るのは、すごく分からない部分がある。変化球かなっていう話を、伏見さんともしていた」と狙いをスライダーに設定。実際はシュートだったが、「いい反応ができた」と最高の結果につなげた。
新庄監督もご満悦 対外試合の打率は驚異の・692
新庄監督が「12打数13安打?」とボケるほど、打ちまくっている。対外試合の打率は・692だ。指揮官は「プロの球を1年目からそうは打てない。きょうは1番でテストさせてもらって、いきなり初球。びっくりしました。ヒットが出ることによって自信がついて、打席で思い切りいけるポイントにはなっている。今はしっかりボールが点ではなくて線で見えている」と称賛した。
指揮官のアドバイスで一念発起 一気に今キャンプの主役に
謙虚で真面目な二刀流ルーキーはキャンプ序盤、初めて体験するプロの練習のレベルの高さに驚き、「周りの先輩が、バッティング練習から走塁から、すごい方たちだらけで、最初は周りから見ているようだった」と一歩引いてしまっていた。紅白戦でもなかなか思うような打撃ができずにいた。そんな時、新庄監督から「大学ではお山の大将でやってきたんでしょ。プロに入ってからもその気持ちを大切にやり続けた方がいいよ。普段は謙虚でいた方がいいけど、プロの世界に入って、周りをすごいなって思ったら終わりだよ」と金言をもらった。「そう言われてからは自分もしっかり、もっとガツガツやっていきたいと思うようになりました」。自信を取り戻した矢沢は、一気に今キャンプの主役に躍り出た。
確かな手応えをつかんだ1カ月 開幕スタメンへ猛アピール継続
初の春季キャンプは1軍で完走した。「自分が想像しているよりもうまく来ている」と確かな手応えをつかんだ1カ月だった。入団当初から、目標は新球場開幕戦の「1番・右翼」。勢いそのままに、「3・30」まで駆け抜けてみせる。