２０２２年の１次試験合格者は投手、野手合わせて８人も含まれず

　日本ハムの野村佑希内野手（２２）が春季キャンプ打ち上げとなった２７日、〝新庄トライアウト〟の追加合格を勝ち取った。２０２２年の１次試験合格者は投手、野手合わせて８人（ソフトバンクへ移籍した近藤を含む）だったが、この中に入っていなかったという。新庄剛志監督（５１）は「今年はずっと使っているでしょ。野村君だけは。メンタル的にも全部出てもらいたいという気持ちもあるし、今から慣れさせたい」と大きな期待を寄せた。

　１次合格の８人のうち、投手は３人で上沢、加藤貴、伊藤が濃厚。野手５人は、近藤と松本剛しか、名前を挙げていなかった。野村も合格者とみられていたが、指揮官は「入ってない。入ってない。けがをする選手は入らないよね。それはそうでしょう。やっぱり、シーズン通して、最低でも規定打席をクリアしないと」と基準の一部を明かした。

「僕自身はレギュラーで出られるように覚悟を決めてきたので結果を出せて良かった」

　今キャンプを通してレギュラー当確のお墨付きをもらった野村の表情は、それほど変わらなかった。もともと責任感が強く「うれしいというか、僕自身はスタメンで、レギュラーで出られるように覚悟を決めてやってきたので、結果を出すことができて良かった」と静かにうなずいた。

　入団２年目の２０年から１軍に呼ばれ、出場機会を得たが、再三の故障に泣かされてきた。規定打席に到達したことは一度もない。昨オフは「防げるけがもある」と認識し、自主トレでストイックに体を鍛え抜いた。もう、離脱したくはない。「今までたくさんけがをして、（ファンの人が）観にきた時にいないということも多かったと思いますが、いつ、どんな時でも僕が４番・三塁で出ている姿を見せたい」

「４番」へのこだわり、執着は増すばかり

　世代交代が加速する中で「４番」へのこだわり、執着は増した。４番の力量がチームの順位に直結すると考え「ほかのチームを見たときに４番というのはそのときの調子に関係なく、打席に立ったら怖いですし、その打者が１本打つだけでチームの流れが変わったりするので、そういうところを出していきたい」と理想を描いた。

　野手の残りの合格者は不明だが、清宮、上川畑、石井らがコンスタントにスタメンで起用されている。開幕まで１カ月。長い期間を費やして構築した新庄野球の土台は、固まりつつある。