【侍ジャパン帯同記】道スポ評論家の鶴岡慎也氏 ブルペン捕手として代表を支える
縁の下の力持ちとしてチームをサポート 選手とともに世界一奪還へ
野球日本代表「侍ジャパン」は27日、宮崎での強化合宿を打ち上げた。3月からは名古屋と大阪で強化試合を行い、本大会へ向けて準備を進める。ブルペン捕手として帯同する鶴岡慎也氏(41)は、合宿初日に日本ハム時代のチームメートだったダルビッシュ有投手(36)とキャッチボールを行うなど裏方として奮闘中。代表チームで過ごす日々の一端を道スポWEBにて語った。
投手の動きを常に観察 旧知の吉井、厚沢両コーチとも連携
強化合宿中は選手よりも早い時間に球場へ行って、まずは自分のウオーミングアップをしていました。ストレッチや軽いトレーニングをして全体練習に備えます。選手が来てからは主に投手に合わせて動きます。ファイターズから派遣されている梶原ブルペン捕手に、どのような行動をすればいいのか教えてもらっています。流れをつかむのは大変ですが、毎日ものすごく助けてもらっています。
練習中は投手が相手を探すことなく、すぐにキャッチボールができるよう近くにいます。ブルペン投球が始まれば当然、ボールを受けます。合宿の序盤は捕手がいろいろな投手の球を知りたい時期です。選手と交互に受けるため、僕の出番は多くありませんでしたが、実戦が始まってからは機会が増えました。投手がやりやすい環境を整えるのが一番の仕事なので、常に投手陣の動きに気を配っています。日本ハム時代から知る吉井さんと厚沢さんが(コーチとして)いるので、とても連携がとりやすい環境です。
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
ダルと12年ぶりの〝バッテリー〟「こんな感じだったなぁ」
合宿初日はダルビッシュ投手とキャッチボールをしました。ボールを受けるのは2011年以来です。きれいでスムーズな体重移動やバッターに向かうような威圧感のある投球フォームを見て『こんな感じだったなぁ』と懐かしさを覚えました。
カーブやスライダーなど曲がり球を投げる抜群のセンスは、さらに磨きがかかっていました。当時からズバ抜けてエグい投手でしたけど、36歳の今も進化の途中のようです。冷静に考えたらすごいことですね。メカニックやコンディショニング…。若い頃から研究を積み重ねたことで高いパフォーマンスを維持していると思います。一人の野球人として心から尊敬します。
後輩に対する気遣いに感銘 変わらぬ純粋さ、向上心も実感
積極的にチームメートへ声をかける姿も目立ちます。年下しかいない環境の中で、自分が培ってきた経験や知識を日本の投手に少しでも伝えたいという思いを、近くにいて感じます。今からメジャーを目指したい、もっと素晴らしい球を投げたいという向上心の塊のような投手ばかりが集まっています。彼らにとっては英雄的な存在ですよね。
ダルビッシュ投手は投手陣の質問に対して、何パターンもの答えを持ち合わせています。惜しみなく自分の引き出しを開けて、提供しているように見えます。近くで聞いていると「こうしたら良いよ」とは言いますけど「絶対にこうしなきゃダメだよ」という言い方はしません。彼の言葉の選び方は本当に勉強になります。ファイターズで一緒に野球をやっていた頃の純粋さや向上心の強さは全く変わっていませんが、年齢を重ねてベテランになり、頼もしさや心強さが増しています。
実戦向きの伊藤を高評価 「大海との距離は確実に縮まりました」
伊藤大海投手は、ちゃっかりダルビッシュ投手のロッカーの横を確保していましたね(笑)。充実した時間を過ごしながらも、周りに流されず自分のペースを崩していません。ルーティンを守って、やりたいトレーニングに取り組んで、いい雰囲気を出しています。
日本ハムの沖縄・名護キャンプでボールを受けた時はボールがマッチしてない一面もありましたが、25日の試合(ソフトバンク戦)で投げた時は今年一番良いボールを投げていました。アドレナリンが出るほど、すごいボールを投げられる実戦向きな投手なのだと再認識できました。毎朝のルーティンを行う時間に一緒にいることが多いので、いろいろな話をしています。代表合宿中に、僕と大海の距離は確実に縮まりましたね。