■コンサドーレ熊本キャンプ（３日、大津町運動公園球技場）

　新潟戦（４日１４時キックオフ、デンカＳ）を翌日に控えた３日は午前練習を行い、１１対１１やセットプレーの確認などを実施。練習終了後、チームは決戦の地、新潟へ向かった。

スピードスターが重い空気を吹き飛ばす

　沖縄キャンプ中に負ったけがの影響で、開幕から２試合を欠場していたＦＷ小柏剛（２４）がいよいよ戦線に復帰する。登録メンバー１８人に入ることが濃厚なスピードスターが、重い空気を吹き飛ばして今季初勝利を札幌へもたらす。

　開幕２戦でわずか１得点。その１点もＰＫによるもので、流れの中では１８０分間得点なし。得点力不足に悩む札幌に、頼れる男が帰ってきた。広島との開幕戦後に全体練習に部分合流していた小柏は、神戸戦後のオフ明けからついに完全合流。今週の戦術練習では、持ち前のスピードを武器に、何度も裏へ抜け出すシーンを見せてゴールネットを揺らした。「自分の特長を出していきたい。背後に抜けるプレーや、走って起点をつくるのが自分のプレーだと思うので、そういうところをしっかりと全うしていきたい」と復帰初戦に向けた意気込みを語る。

飛躍が期待された昨季は１３試合出場で２得点

　ルーキーイヤーに３０試合で７得点をマークし、シーズン後には日本代表候補にも選出。札幌のエースとしてさらなる飛躍が期待されたが、昨季は右ハムストリングの肉離れによる長期離脱など故障が相次ぎ、終わってみれば１３試合で２得点と悔しい一年を過ごした。

　オフの間にパーソナルトレーナーの門をたたき、筋力アップして迎えた今年の沖縄キャンプ。全３４試合への出場を目標に、序盤から順調に練習メニューをこなしていたが、長崎との練習試合を翌日に控えた１月２６日、１１対１１の練習中に左ふともも裏の肉離れを起こした。「いつも復帰して『もうしない』って思っていたが、けがをしてしまった」。気持ちを切り替え、開幕３戦目からリスタートする。「今回また新たにスタートするわけですけど、しっかりと自分がやるべきことをやってきたつもり。けがを恐れずにやっていきたい」と、勝利をつかみ取るため復帰初戦からエンジン全開のプレーを見せる。

「上位に食らいつくために大事な試合」

　「まだ勝ち点３を取れてないですし、ここで新潟に負けてしまうと、スタートで完全にこけることになってしまう。上位に食らいつくために大事な試合だと思うので、絶対に勝ちたい」。必勝を期して敵地へ乗り込む。対照的に２試合負けなしの新潟は、ホーム開幕戦と意気上がる。小柏が自慢のスピードで打ち砕き、札幌を勝利へ導く。