《ミシャTalk》1ポイントでも満足できる結果 ビール2杯、焼酎3杯で乾杯したい
■J1第3節 新潟2-2札幌(4日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム)
-試合を振り返って
今日のゲームは札幌にとって非常に難しいゲームになると予想していた。新潟はここまでの2戦を見た限り、Jリーグの中で最もポジティブなサプライズを見せているチームだと思っていた。開幕戦でC大阪に攻撃的な戦いで2-2で引き分け、広島戦でも2-1で勝利した。アウェーの2試合ですばらしい戦いと結果を残して、ホームでの開幕を迎えるということは、新潟にとってすばらしいスタートだったと思う。
ここ新潟はサッカー熱の高い、すばらしいサポーターが多くいる街。多くのサポーターが今日ここに応援しに詰めかけてくるということで、アウェーチームの札幌にとってはさらに難しいゲームになると思っていた。難しいゲームになるというのは、その2つの要因があったからだ。新潟の選手たちは非常にモチベーションが高かったと思うし、今日のゲームでもすばらしい戦いをしたと思う。私も新潟で数多くの試合を戦ってきたが、ここのスタジアムは、新潟のサポーターが多く集まり、チームを後押しする。そんなすばらしい雰囲気の中で試合ができたことは、私にとってもうれしいことだったが、試合という意味では、非常に難しいゲームだった。
■勝利なしと負けなし、真逆の状況で迎える第3戦だった
札幌のこの試合の前までのチーム状況は、開幕戦の広島戦ではなんとか引き分けたが、決していい内容のゲームではなかったと思うし、第2節のホームの神戸戦でも、自分たちのスタイルをあまり出すことができず、内容のいいゲームができないまま1-3で敗れてしまった。非常に難しい状況の中で、相手の新潟の状況を考えれば、真逆のような状況で迎える第3節だった。
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今週の練習やミーティングを通して、新潟に対してどう戦うのかというのを入念に練ってきた。今日のゲームで前の試合までと違うのは、小柏が戻ってきたこと。小柏や浅野のようなスピードのあるタイプの選手が入ることによって、攻撃のテンポが上がったことが、非常に大きかったと思う。
■より勝利に近い内容だったのは札幌
今日のゲームは2-2の引き分けという結果に終わったが、特に後半われわれのチャンスが多かったと思う。より勝利に近い内容だったのは札幌かなという思いはあるが、前節や前々節のチームの状況、ゲームの内容を考えれば、右肩上がりなゲームをしてくれたことに対して、(勝ち点)1ポイントでも満足できる結果と言っていいかもしれない。
-J1最多記録となる525試合目の指揮を執った
記録というものを一つ塗り替えたことは、結果としてすばらしいことだとは思う。私が引退すれば、その数字がどういうものだったかを多く語ることはできる。ただ私自身はまだ現役の監督である。その記録で仕事を継続することはできない。例えば札幌がこの後5試合、6試合連敗することがあれば、おそらく私は札幌の監督ではなくなるだろう。
■3クラブで支えてくれた皆さんに感謝しかない
私はこの記録に関して言えることは、感謝でしかないということ。これだけ長くJリーグで仕事ができたのは、多くの人の支えがあったからこそでしかない。広島で6シーズン、浦和で6シーズン、札幌で今年6シーズン目になるが、そのときに3クラブで支えてきてくれた会社やスタッフの皆さん、何より選手たち、そしてサポーターの皆さん。そういった多くの方々の支えがなければ、私はここまで来られなかった。
この記録に対して、もちろんうれしい部分はある。けれども、私からコメントできるのことは、感謝、ありがとうの言葉だけだ。
私自身ももちろん幸せな気分であるし、築き上げた仕事に対する誇りはある。ただ私は今、もうすでに頭が痛い。なぜなら来週の日曜日、札幌ドームで横浜M戦が待っているからだ。サッカーの仕事というのは、試合が終われば、また次の試合に向かっていかなければならない。そういう仕事だし、自分自身が常に仕事ができる、結果が出せるということを証明していかなければならない仕事だ。ただ今日の夜は、ビールを2杯、そして焼酎を3杯で乾杯したい(笑)