■オープン戦　楽天６－９日本ハム（３月４日、札幌ドーム）

　昨年とは違う。日本ハムが４日、札幌ドームで行われた楽天とのオープン戦で逆転勝ちを収め、無傷の３連勝を飾った。種をまき、水を与えて選手を育ててきた新庄剛志監督（５１）はチームの成長を実感。先制されても全く慌てず「いつか逆転するんだろうなと、ベンチで落ち着いて見ていたら、やっぱり逆転してくれた。なんか普通になってきている」と涼しい顔で言ってのけた。

相手先発が田中将で開幕戦を占う一戦も「うちがやるべきことをやって勝つだけ」

　相手は楽天で、先発は開幕投手の田中将。３月３０日の開幕戦を占う顔合わせだったが、指揮官はアピール合戦を繰り広げる自軍選手の一挙手一投足に集中していた。ライバルチームの戦力、戦術には関心がなく「もうほかのチームの選手は眼中にないです。うちがやるべきことをやって、勝つだけ」と強調した。

積極性を重視しながらデータと感性を駆使して、確率の高い勝負を選択

　序盤に４点のビハインドもどっしりと構えて、選手を送り出した。１年前は奇襲、奇策を繰り出し、相手ベンチを幻惑してきたが、無鉄砲には動かない。積極性は重視しながら、データと感性を駆使して、確率の高い勝負を選択している。

レギュラー争い激化　メンバーの絞り込みには「本当に…迷う」

　五回に清水の２ランで反撃を開始し、七回には矢沢の勝ち越し適時打など、集中打で大量７得点。全員が貪欲に出場機会を求め、一定の結果を残している。ふるいに掛けたくても、今は優劣が付けづらい状況だ。

　レギュラー争いに触れると、新庄監督は「ね、本当に…迷う」と言葉を絞り出した。困った顔で一息つくと、「この争いが続くのであれば、人間性とか、チームのムードをつくってくれる選手で、勝つために自分を犠牲にしてでも、やっていってくれる野球脳（を重視する）。あとは、けがに強い選手が選ばれるんじゃないかなとは思います」と指針を示した。開幕まで１カ月を切った。この先は情を捨て、一層シビアにメンバーを絞り込む。