■オープン戦　楽天６－９日本ハム（３月４日、札幌ドーム）

北海道〝デビュー戦〟「たくさんの方に見に来てもらえたら」

　日本ハムの矢沢宏太投手兼外野手（２２）が４日、札幌ドームで行われた楽天とのオープン戦で決勝打をマークした。七回１死満塁で辛島の外角スライダーにうまくバットを合わせ、右前へ打球を運んだ。北海道での〝デビュー戦〟を鮮やかなＶ打で飾り「お客さんに入っていただけると気持ちもパフォーマンスも上がる。たくさんの方に見に来てもらえたらうれしい」と、満面の笑みを浮かべた。

　やられたら、即座にやり返す。代打で登場した六回の第１打席は辛島のスライダーに空振り三振。「今まで見たことがないような軌道とキレで手も足も出ないような感じだった」と脱帽した。それでも勝負どころの次打席では、同じ球種に狙いを定めてリベンジに成功。「僕が投手でも確率の高いボールを選択する。三振に取られたのと同じようなボールが来るのかなと思っていた。１球見たボールの軌道は頭の中に残っている」と、新人離れした修正能力を発揮した。

指揮官が巧みなバットコントロール称賛「右手一本で持っていける技術は天性」

　非凡なバットコントロールに新庄監督も舌を巻いた。「あれは普通ゴロになる。最後、顔とバットは離れているんですけど、目だけはしっかり見て（手首を）返さないテクニックがある。右手一本だけでヒットゾーンに持っていける技術は天性だと思います」と、オープン戦３連勝を引き寄せた巧みな技を絶賛した。

　この試合では登場曲として初めて矢沢永吉の「止まらないＨａ～Ｈａ」を使用した。オープン戦は８打数５安打。快音を放ち続ける背番号１２は、タイトル通りの勢いを見せている。「開幕戦に出るなら野手の方が近い。みんながアピールしているので、自分もしっかりアピールしたい」。二刀流ルーキーが定位置争いを熱くする。