Vリーグ
2023/03/05 19:30

ヴォレアス「北海道ダービー」リベンジに成功! フルセット逆転勝ちで連覇へ大前進

得点に喜ぶヴォレアスの選手たち(撮影・十島功)

■Vリーグ男子2部 ヴォレアス3―2サフィルヴァ(5日、神奈川・とどろきアリーナ)

 歓喜の春はもうすぐだ―。1位・ヴォレアス北海道と2位・サフィルヴァ北海道との直接対決第3ラウンドが5日に行われ、セットカウント0―2からフルセットに及ぶ大熱戦を制し、ヴォレアスが連覇へ大きく前進した。V1昇格がかかる「V・チャレンジマッチ(入れ替え戦)」を想定しながらの試合運び。トップリーグ参戦へ、より強固なチームを構築していく。

前日の試合からスタメン全取っ替え

 エド・クライン監督(41)は、リスクの大きい作戦を打ち出した。4日の富士通戦からスタメンを全て入れ替えた。エースの張育陞(チャン・ユーシェン、22)や不動のセッター・山岸隼(23)を今季初めてスタメンから外し、この試合に臨んだ。試合当日の午前10時に発表されたまさかの〝全取っ替え〟に、佐々木博秋主将(28)は「エド(・クライン監督)的には向こう(サフィルヴァ)へのサプライズでも、僕らの方が一番のサプライズでした」と笑った。普段の試合形式で行うAB戦でも、選手をランダムに組み合わせているからこそ成せる戦略。山岸も「(AB戦で)チームを固めてやっていないので、今回のやつができた」とうなづいた。

 昨季王者に向かってくるチームは、いずれもモチベーションが高い。特に同じ北海道を本拠地とするサフィルヴァはその傾向がより強い。クライン監督は「うちとの試合でいつもフロー状態(完全に集中した状態)に入る」と言う。メンバーを入れ替え、混乱させることでフロー状態に入らせない目的もあった。効果はてきめんで、1セット目の得点の半分以上は相手のミスだった。「0―2はプランになかった」とクライン監督が苦笑いするように、2セット連取を許したが、ボディーブローのごとく相手の力を削っていた。

3セット目から主力のシナリオ

 体力を温存していた主力が並んだ3セット目以降は相手を圧倒。「セットが進むにつれて、フィジカル的な面でうちは優位に立てた。5セット目まで行くっていうのは、我々にとってはよりいいシナリオでした」と指揮官。疲弊していく相手とは打って変わって、どんどん勢いに乗った。

 また、V・チャレンジマッチを想定した一戦でもあった。この試合はサフィルヴァと1勝1敗で迎えた今季3試合目。プレーオフも同様の3試合制で、最終戦はお互いのデータを収集した上で戦うことになる。サフィルヴァとはシーズンのみならず、練習試合もよく行う間柄。これ以上ない〝仮想チャレンジマッチ〟で見事な逆転勝利を飾った。

佐々木主将「V1のチームはミスを出さない」入れ替え戦見据え

 4日の3位・富士通戦、5日の2位・サフィルヴァ戦を連勝したことで、優勝は目前。佐々木主将は「ミスを減らすことを意識して練習している。V1のチームはミスを出さない。V1に上がるために一番重要なこと」とすでにV1昇格しか見ていない。悲願達成のときは、着実に近づいている。

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