サフィルヴァ痛恨の逆転負けも、今季の「北海道ダービー」は1勝2敗と成長見せた
■Vリーグ男子2部 ヴォレアス3―2サフィルヴァ(5日、神奈川・とどろきアリーナ)
残り全勝でV1挑戦権を
相手が一枚上手だった。首位を走るヴォレアス北海道から2セット連取し、今季の「北海道ダービー」連勝&勝ち越しに手をかけていたサフィルヴァ北海道だったが、白星はスルリと落ちた。暫定2位はキープも、7敗目を喫した。上杉徹監督(42)は「(3位)富士通さんとも直接対決がある。そこに勝って2位に滑り込めたら」と、V・チャレンジマッチ(入れ替え戦)に臨める2位フィニッシュを誓った。
気付けば土俵際に追い込まれていた。2―2で迎えた5セット目。8―14からジェイレン・ペンローズ(28)の放ったスパイクは、無情にも相手ブロックに阻まれた。2―0から痛恨の逆転負け。上杉監督は「3セット目以降、(今季の)アタック効果率の違いが、点差に出た」と肩を落とした。
上杉監督「メンタル的な疲弊が大きかった」
スタートから意表を突かれた。ヴォレアスは2月に戦った試合(サフィルヴァ3-1ヴォレアス)から、スタメンを4人入れ替えてきた。普段の主力を外してきたことで2セット先取に成功したが、指揮官は「メンタル的な疲弊が大きかった。3セット目からベストメンバーを出してこられて、(あと1セットを)取りきれなかった」と力負けを認めた。
「一番負けたくない相手が北海道にいる幸せ」
しかし、チームは着実に成長している。上杉監督は就任した2020―21年シーズンは2試合戦い、1セットも奪うことができなかった。中には13―25と圧倒されたことも。今季は1勝2敗と負け越したが、歴史的な初勝利を挙げた。黒星の2試合はともにフルセットまで持ち込むなど、(フルセット負けには勝ち点1が与えられるため)3試合とも勝ち点を奪い、ヴォレアスを苦しめた。「昨シーズンはセットも取れるようになり、今シーズンは勝つこともできた。もう一押し。私も一番負けたくない相手。自分たちの力のなさをすごい痛感してます。でも、そういう思いをさせてくれるチームが同じ北海道にいるっていうのは、すごい幸せかなっていうふうに思います」
今季加入したアウトサイドヒッターの郡浩也(27)も自身の成長を実感している。4日の埼玉戦はアタック11得点にとどまり、決定率も33.3%に沈んだ。「(4日の)映像を見返して、監督とも話し合った」とわずか1日で修正し、この日はアタック20得点、決定率も60.6%に上昇させた。「スパイクコースも単調じゃなくて、ラインも打つ、クロスも打つっていうふうにできた」と胸を張った。
打倒・ヴォレアスを掲げて、ここまで進んできた。歩んでいる方向は間違っていない。まずは残り4試合全勝を目指し、V1昇格への挑戦権をつかみにいく。