清宮 苦しい思い出ばかりだったけど…今年ラストの札幌ドームで豪快アーチ
■オープン戦 楽天5―4日本ハム(3月5日、札幌ドーム)
楽天・藤平から六回にソロ弾「狙い球を絞っていた感じ。変化球にうまく反応できました」
今年最後の札幌ドームでホームラン締めだ。日本ハムの清宮幸太郎内野手(23)が5日、楽天とのオープン戦で、藤平尚真投手(24)からソロ弾を放った。2月26日の阪神戦(沖縄・名護)以来となるオープン戦2号。「狙い球を絞っていた感じ。変化球にうまく反応できました」と納得の表情を浮かべた。
狙い澄ましたような一振りだった。六回無死の第3打席。128キロの低めスライダーを完璧に捉えると、打球は高いフェンスを越え、右翼席に到達した。
〝代打の神様〟八木打撃コーチから指導 「しっかり頭の中を整理して打席に入れている」
キャンプ中から〝代打の神様〟八木打撃コーチの指導を受けてきた。技術だけではなく、場面に応じた配球の傾向や投手心理なども深く学んでいる。その成果は少しずつ表れており「全打席、初球からいっているんですけど、しっかり頭の中を整理して打席に入れているおかげかな」と実感を込めた。
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約5年前の札幌ドーム。2018年5月2日の楽天戦で初打席、初安打の鮮烈デビューを飾った。ただ、そこからの道のりは決して順風満帆ではなかった。本拠地で期待に応えられず、落胆することも多かった。だからこそ「苦しい思い出ばかりですけど、きょう最後にホームランを打てたので良かった」と少しだけ笑みがこぼれた。
侍サポートメンバーの万波が放った一発に刺激 「しびれたっすね」
発奮材料もあった。4日夜、侍ジャパンが中日との壮行試合に臨んでいた。サポートメンバーとして日本代表のユニホームを着た万波が八回にバックスクリーン左へ、2点本塁打を放った。これを見た清宮は「すごいですよ、あいつ。しびれたっすね。うらやましかったです。あんなところでホームランを打てる。しかもあれだけのメンバーに祝福されて」と大興奮。後輩の活躍に燃え「結果を出した先に、そういう世界が待っていると思う。目の前のことを一生懸命やりたい」と気を引き締めた。
打撃の状態は上向きで、オープン戦に入って長打が増えてきた。ただ、1点を追った九回2死一、二塁で三邪飛に倒れたシーンを振り返り「きょうの最後みたいな場面で1本打ちたい」と悔しさもにじませた。勝てなければ、価値はない―。背番号21は主砲の自覚を携え、新しいシーズンに向かう。