コンサドーレ
2023/03/13 22:25

《元赤黒戦士の現在地・岡本賢明ユース監督》何らかの形で札幌サポーターの前で試合がしたい ロアッソ熊本編

ロアッソ熊本のユースチームで監督を務める岡本賢明氏(撮影・工藤友揮)

ドリブルとパスセンスに優れた攻撃的MFとして07年から13年まで札幌に在籍

 今回紹介するのは、現在ロアッソ熊本のユースチームで監督を務める岡本賢明氏(34)だ。ルーテル学院高校(熊本)から2007年に北海道コンサドーレ札幌に加入。ドリブルとパスセンスに優れた攻撃的MFとして13年まで7シーズン在籍し、07年、11年と2度のJ1昇格にも貢献。明るいキャラクターで多くのサポーターから愛された選手だった。(以下、敬称略)

17年限りで現役引退 その後、熊本のアカデミースタッフ入り

 札幌退団後の14年に生まれ故郷の熊本に加入。16年から2年間主将を務めるなど活躍したが、札幌時代に負傷した右膝の影響もあり、17年シーズン終了後に29歳で現役を引退。熊本のアカデミースタッフに就任し、22年から現職を務めている。

 初めて監督に就任した昨季、熊本ユースはU-18サッカーリーグ熊本1部で優勝。今季から2部制に移行するプリンスリーグ九州の1部を目指して参入戦を戦ったが、決定戦で惜しくも敗戦し2部へ参入することになった。その1年を振り返り「最終的な結果もそうですし、自分の中で力が足りない部分がまだまだあったというのが正直なところ」と口にする。そうした反省点を踏まえて挑む2年目のシーズン。「ベースをしっかり上げる、当たり前の基準を上げる、というところをやっていきたいのが一つ。あとは選手が自分たちの意思で、自立してしっかりプレーできるように今年はやっていきたいです」。

「サッカー選手の素晴らしさ。現実的な厳しさ。しっかり伝えていきたい」

 プロを目指して戦う選手たちに岡本は何を伝えようとしているのか―。「一つはサッカー選手の素晴らしさ。本当にチャンスがあるんだったら、絶対にみんな目指した方がいい。そこの華やかなところをしっかり伝えていきたい。そしてもう一つは、現実的な厳しさ。簡単に続けられるものではないから、しっかり自分に対して、いつも頑張らなきゃいけないんだよっていう。この二つは選手に伝えられるように、常日頃から自分の中で意識しています」。11年のプロキャリアで味わった明と暗を伝えて、未来のプロ選手を育成していく。

札幌「しまふく寮」の元寮母・村野さんが社長を務める会社と今季から業務委託契約

 熊本は今季からユースチームの選手が暮らすアカデミー寮「翔馬寮」での食事提供の運営業務について、株式会社SundayMondayと業務委託契約を締結した。このきっかけをつくったのが岡本だった。同社の代表取締役は村野明子さん(55)。岡本が「しまふく寮」で暮らし始めたときに、寮母を務めていた人物だ。「寮をより良くできないかなと思ったときに、やっぱり自分の中ではしまふく寮が絶対に一番良い寮だって自負があったので、そのアドバイスをあっこさん(村野)にしていただきたいなって思って。『あっこさん、しまふく寮のときってどんな感じだったんですか?』っていう軽いノリの電話から始まって、あっこさんも今どこの寮もやってなかったことで、クラブの協力もあり、あっこさんの協力もあり、こういうふうに実現した。本当にうれしく思っています。あっこさんとこの間、話したけれど、やっぱり人とのつながりだよねって」。

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