侍ジャパン伊藤 憧れ続けてきたダルとともに目指す世界一奪還 WBCがいよいよ開幕
髪型をまねるほど目標にしてきた存在 そのダルと挑む頂点への道
野球世界一を決めるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が8日に開幕し、日本代表は9日に中国との初戦(東京ドーム)を迎える。道産子では初のWBC出場となる日本ハムの伊藤大海投手(25)は、憧れの米大リーグ・パドレスのダルビッシュ有投手(36)と共闘し、頂点を目指す。
伊藤にとって、日本ハムの絶対的エースとして君臨していた右腕は、神様みたいな存在だ。小学生の頃、長髪がトレードマークだったダルビッシュをまねして、くりんくりんの天然パーマを伸ばしていた。当時のことを「自分の意思ですね。かたくなに髪を切らなかったんですけど、ダルさんが坊主にしたタイミングで、僕も坊主にしたことを覚えています」と笑って振り返る。
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
大学時代にファーストコンタクト 今では合同自主トレを行う仲に
小6時にファイターズジュニアのセレクションに応募するも2次選考で落選。中学では硬式野球チーム・函館東リトルシニアに入るため、髪の毛をバッサリ切って坊主にした。駒大苫小牧高では甲子園出場を果たし、順調に成長。苫駒大時代に、ついに憧れの人と接点ができた。自身のツイッターをフォローしてもらい、DM(ダイレクトメッセージ)でのやりとりがスタート。今年1月にはダルビッシュから誘われ、合同自主トレを行い、米サンディエゴで初対面を果たした。
WBCに向けた宮崎での強化合宿では、ロッカーが隣同士に。練習する姿を間近で見ることができ、『プライオボール』を持ち運びできる専用ケースもプレゼントしてもらった。「刺激的ですし、あの人でこれだけやっているんだから、もっとやらないとと思わせてくれる。周りに良い影響をずっと与えてくれる存在です」。経験豊富なメジャー右腕のおかげで、モチベーションはより高まっている。
リリーバーで臨むWBC 難しい役どころにも「1試合でも多く投げる」
日本ハムでは先発を担う伊藤だが、WBCではリリーフとして重要な場面での〝火消し役〟を託されそうだ。先発を務めるダルビッシュとのリレーもあるかもしれない。「いよいよ始まるので、どんな場面で使われるか分からないですけど、いつでもいける準備をして1試合でも多く投げられるようにしたいです」。幼少期から憧れ続けた右腕とプレーできる喜びをかみしめながら、史上最強の侍ジャパンの一員として大海がいざ出陣する。