五十幡 3打数3安打2盗塁 初対戦の先輩・沢村からも右前打
■オープン戦 日本ハム7-1ロッテ(3月8日、ZOZOマリンスタジアム)
五回の第3打席で初対戦 右前打に沢村から「ナイスバッティング」
沢村先輩から打った! 日本ハムの五十幡亮汰外野手(24)が8日、ロッテとのオープン戦(ZOZOマリン)に「1番・中堅」で先発し、3打数3安打2盗塁と本領を発揮した。ハイライトは五回の第3打席。高校(栃木・佐野日大)、大学(中大)の大先輩・沢村拓一投手(34)と初対戦し、右前打を放った。
「佐野日大と言ったら沢村さんが出てくる。大学の試合を見に来てくださったことがあって、その時にあいさつしたことがあります。打った後にナイスバッティングと声をかけていただいたので、うれしかったです」
試合前から意識 打席でヘルメットを取ってあいさつ
試合前の練習時から、「常に探していました」と存在を意識していた。高校、大学の直系の先輩。当然、あいさつに行く予定だったが、右腕が登板準備をしていたこともあり、実現できなかった。代わりに、五回先頭で打席に入った際、敬意を込めてヘルメットを外した。
1球目は153キロの直球を見送り、カウント1ー0から2球目の151キロを強振。捉えた打球は右前で弾み、塁上で笑みがこぼれた。米メジャーから3年ぶりに日本に帰ってきた沢村にとって、この日が復帰後初の対外試合。その最初の打者として打席に立ち、貴重な経験を積んだ。
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第1、2打席でも内容充実の2安打 すかさず盗塁も披露
先輩がまだまだ調整段階であることも十分理解している。「球の強さと変化球の鋭さがすごい。これからそれが増していくと思うので、対戦していく中でしっかりヒットが打てるように。塁に出てどんどんプレッシャーをかけていけたら」。ロッテは同じパ・リーグ。シーズンで何度も戦うことを想定し、攻略を思い描いた。
沢村との勝負以外にも収穫が多い一日だった。一回の第1打席は追い込まれながら粘って左前打で出塁。続く奈良間の打席ですかさず二盗を決め、この回一挙3点を奪う攻撃をけん引した。二回2死二塁で迎えた第2打席は遊撃への内野安打をマーク。その後は再び二盗を決め、リードオフマンとしての適性を猛アピールした。
高い走塁への意識 打席での役割も熟知するスピードスター
「(1番で出る時は)三振とかフライアウトはなるべく、なくしていきたい。ヒットでもフォアボールでもデッドボールでも、何でもいいので塁に出て、勢いをつけたいというところは意識しています。やっぱりチーム全体でヒットが出ていない試合、きのう(7日)もそうですけど、そういった時は自分や足の速い矢沢とかが出て、勢いをつけていかないといけない。そうすれば、打線という線ができてくる。ロースコアでヒットが出ていない時の打席は大事にしていきたい」
けがから復帰し約2週間ぶりの実戦となった5日の2軍教育リーグ・ロッテ戦では、一回の先頭で出塁するも盗塁を仕掛けられなかった。この日は反省を生かし、積極的に走った。「常に行く、(勝負を)かけるという意識が、鎌ケ谷の時は足らなかったと思う。走るにしろ走らないにしろ、もっともっとプレッシャーをかけられるようにやっていけたら」。球界ナンバーワンとの呼び声も高い脚力を最大限生かし、必殺の武器に磨き上げていくつもりだ。
開幕スタメンに照準 「センターを任されている責任と自覚を持ってやっていく」
前日7日のロッテ戦は4打数無安打で「打席の中で悪いなと思った」と嫌な感触が残った。それでも「やっぱりシーズン143試合ある中で、そういう日もあると思うので、切り替えを大事にしていきたい。1試合で一喜一憂するのではなくて、シーズンを戦って波が少ない状態がベストだと思うので、そこを突き詰めてやっていきたい」と試合後に素振りを行い、一夜で状態を上向かせた。「しっかり自分の打つべきポイントを確認しながら、何が悪かったのか、ダメだったのかを考えた。3年目で少し経験も増えてきているので、そういうところも生かしてやっていけたらと思います」と力を込める。
今季はここまで右膝や左太ももの負傷でつまずいたが、大事には至らず。開幕スタメンを射程に捉えている。「センターでレギュラーを勝ち取りたいというのが、一番強い気持ちとしてある。冷静さを忘れずに、思い切り勝負するところは勝負する。センターを任されている責任と自覚をもってやっていきたい」。新球場開幕戦の「1番・中堅」は、他の誰にも渡さない。