札幌DF中村 鳥栖相手に攻守で躍動 敵地での勝ち点ゲットに貢献 ルヴァン杯開幕
■ルヴァン杯グループステージ第1節 鳥栖0-0札幌(8日、佐賀・駅前不動産スタジアム)
互いに決定機はあったものの最後までゴール割ることできずスコアレスドロー
国内3大タイトルの一つであるルヴァン杯が8日に開幕し、2019年以来の決勝進出、そして初優勝を狙う北海道コンサドーレ札幌は、敵地でサガン鳥栖と対戦した。前半は互いにチャンスをつくりながら得点を決められず、スコアレスのまま試合を折り返す。後半開始から攻勢に出た鳥栖に押し込まれる場面もあったが、選手交代によって流れを引き戻し、一進一退の攻防は続いた。結局、決定機はあったものの最後まで互いにゴールを割ることができず、0-0のスコアレスドローで試合終了。勝ち点1を分け合った。
今季から背番号6を背負う道産子が、昨季とは違うDF中央のポジションで成長をアピール
攻守両面で躍動したのが札幌のDF中村桐耶(22)だ。今季から背番号6を背負う、むかわ町出身の道産子が、昨年までとは異なるポジションで好パフォーマンスを見せ、成長をアピールした。
後半14分、センターライン付近から中村がドリブルで敵陣へ進入すると、一人でそのままゴール前までボールを持ち運ぶ。ペナルティーエリア内から右足で放ったシュートは、惜しくもわずかにゴール左へ外れてしまった。「そこで決められればもっと良かったけど、あそこでチャンスを演出できるのが自分の良さ。機会は少ないけれど、ああいうシーンをつくれたのは良かった」。この日はこのシーン以外にも、敵陣まで持ち上がって配球するプレーがよく見られた。現在はDF登録だが、札幌U-18時代は途中までFWとしてプレー。かつて「札幌のイブラヒモヴィッチ」とも称されていた持ち前の攻撃センスを、敵地のピッチで見せつけた。
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守備面では、昨年までとは異なる3バックの中央でプレーし、完封に貢献した。キャンプでは戦術練習や練習試合などで同位置でプレーしたが、初の公式戦の舞台でもしっかりと結果を出した。「練習試合ではプレーしてたけど、やはり公式戦とは雰囲気が違うので。どう転ぶか正直、自分でも予想はつかなかったけど、個人的な手応えとしては、だいぶやれたかな」。本職の左サイドに加えて自身のプレーの幅を広げつつある現状に手応えを感じている。
札幌は19年に決勝まで駒を進めた。クラブ史上初のタイトル奪取を懸けた川崎との一戦は大会史上に残る激闘となり、延長戦を含め120分を戦っても3-3で決着がつかず、PK戦へ。惜しくもあと一歩及ばず準優勝に終わった。その後の3年間は20年、21年はベスト8敗退、22年はプレーオフステージで敗退と、なかなか先へ進めないでいる。
19年の決勝進出時は期限付き移籍中 「今後もしっかり結果を出せるように準備したい」
19年の決勝進出時にはJFLのHondaFCへ期限付き移籍していた中村。「決勝で悔しい思いをしているチーム。一つ一つ勝っていって、決勝の舞台でタイトルを獲りたい。チームが目指しているタイトルを獲るための一つの大会なので、今後もしっかりと結果を出せるように準備していきたい」。自身初の決勝の舞台、そしてチームの初タイトルに向けて意気込みを口にした。
昨年はプロ初ゴールを決め、自身のブレイクのきっかけになったルヴァン杯。同じ舞台で、中村が今年はまたひと味違った輝きを放った。
◆特別指定選手として先発出場し、Jリーグ公式戦デビュー。45分間プレーしたDF岡田大和(福岡大)
「(緊張は)思ったよりもしなかった。どちらかというと昨日の方がしていた。能力的には全然、この舞台でもやれると思った一方で、判断の部分で遅くなってボールロストしてしまったこともあったので、そこの基準はもっと上げていかないといけない」
◆90分出場し、再三の決定機を迎えたが無得点に終わったFW中島大嘉
「決めたかった。悔しかっただけの試合にしないように、あの試合が転機になったって何カ月か後に言えるように、無駄にしないようにします」
◆今季のルヴァン杯レギュレーション J1全18クラブと、J2の清水(昨季J1・17位)、磐田(同18位)の合計20クラブを5グループに分け、それぞれ2回戦総当たりのリーグ戦を行う。昨年まで実施されていたプレーオフステージは行わず、各グループ1位の5クラブと、同2位のうち成績上位3クラブの計8クラブが、ホーム&アウェイ方式のトーナメント戦で行われる準々決勝に進出する。決勝戦は1試合のみで、11月4日に国立競技場で開催。札幌はAグループで、横浜M、鳥栖、磐田と同組。