ファイターズ
《ハム番24時》3月10日
試合の2時間ほど前。甲子園球場の三塁側ベンチ付近にいたポンセが大きな声で呼びかけていた。「ヘイ、ヨシダ! コウセイ!」。けげんな顔で近づいてきた吉田に対し、スタンドを見回しながらニッコリ笑って「your home」と一言。どうしても、それを伝えたかったようだ。
金足農が旋風を巻き起こしたあの夏から5年。依然、甲子園イコール吉田輝星のイメージは強い。記者もここに来ると、高校野球の名シーンを思い出す。2006年、決勝再試合となった駒大苫小牧と早実の激闘は、今でも脳裏に焼き付いている。
11日に先発するガントは初めて関西を訪れたというが、甲子園の予備知識を持っていた。「日本の高校野球の選手権がここで行われることも知っているし、伝統的な球場で僕が投げられるのは光栄」。球場の雰囲気が気に入ったようで、タイガースファンの熱狂的な応援を楽しみにしていた。外国人助っ人もテンションが上がるパワースポット―。取材する側も、ドラマが起きる予感がして、ワクワクする。