VOGが日本ハムの開幕投手・加藤貴之の登場曲「Try My Life」に込めた思い
「2023年もバッチリ背中を押せるようにしたい」
「Try My Life」に込められた思い―。3月30日、日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」で、2023年のプロ野球が幕を開ける。そのまっさらなマウンドに上がる日本ハムの加藤貴之投手(30)の登場曲「Try My Life」を歌うVOGも、現地で観戦する予定だ。
エスコンF公式戦で最初に流れる登場曲
観客席から特別な思いで見守る。記念すべき「エスコン―」初の公式戦で一番最初に流される登場曲となる。VOGは「多分曲がかかったときには泣いてます」と、すでに涙腺は緩んでいる。新庄剛志監督(51)が開幕投手を発表した昨年の9月28日は外食をしており、加藤貴が開幕投手に指名されたことを知らなかった。
「結構、加藤くんに泣かされてます」
「お酒を飲んでいたら、『おめでとう』みたいなLINE(無料通信アプリ)がバーって来たんですよ。『開幕投手・加藤』というワード自体がピンと来なくて…。その日の晩は泣きました。(これまで)結構、加藤くんに泣かされてます。(加藤貴が)初めて完封した(21年の)楽天戦も号泣しました」。
VOGのファンの1人が、加藤貴と共通の知人で「Try My Life」を作るきっかけとなった。その知人を通じて楽曲提供を依頼され、19年のシーズンに間に合わせるように制作。加藤貴も「めちゃくちゃいいっすね」と喜んだという。初めて会ったのは同年の開幕前だった。「初めてだったので、割とお互いが堅い感じだった」と振り返った。
「(加藤は)子供がそのまま大人になったような感じ」
しかし、初対面を果たすと、そこからは一気に打ち解けた。VOGは加藤貴のことを「子供がそのまま大人になったような感じ」と称する。「ふざけたりとか、おもろいことをするのが大好き。あと駄菓子とか好きみたいですよ」。VOGは、すっかり加藤貴のとりことなった。
そんな左腕のために書き下ろした「Try My Life」。「加藤くんって、野球に対してすごくまじめ。ずっと向き合っている中で、加藤くんの心が詰まらないようにという思いと、その彼を応援し続けたいという思いを書いたつもり。オープナーとか、いろんなことがあったとしても、自分の頂いた役割を担って、しっかり挑戦している。そういう加藤くんに向けて送った曲」。
また、一つの応援ソングとしての側面もある。「挑戦し続ける全ての方に届けられるようなメッセージソングになっていると思うので、そういうのを聞いてもらいたい」と続けた。ちなみに、加藤貴は「一度きりの人生を左腕にこめて」という歌詞がお気に入りだという。
加藤の一押しは別の曲
開幕戦を見届けたあとはVOGの番だ。4月1日から札幌を皮切りにした全国ワンマンツアーが始まる。「ファイターズファンの方にも来てもらいたいですね。ちなみに加藤くんの一番好きな曲は『タカラモノ』っていう曲なんです。『Try My Life』じゃない」と陽気に笑った。
多くの期待を背負って、加藤貴は開幕戦に臨む。その大きな重圧を少しでもやわらげることができたら―。「あの曲で2023年もバッチリ背中を押せるようにしたい」。開幕左腕には、心強い〝相棒〟が付いている。
■プロフィール VOG(ヴォグ) 1985年9月19日、福岡市生まれ。2016年にリリーした2ndアルバム『これから先もよろしくお願いします』、『ぬいぐるみのうた』が、iTunesジャンル別チャートで2作連続1位を記録。19年3月、ユニバーサルミュージックよりメジャーデビューを果たす。同年日本ハム・加藤貴の登場曲である「Try My Life」を制作。翌20年、独立し「Office Laugh Design」を立ち上げる。