WBCで侍打線をけん引する元F戦士・近藤の責任感
1次ラウンド4戦全勝した侍ジャパンで存在感 打率.467、1本塁打、5打点
昨季まで日本ハムでプレーしたソフトバンク・近藤健介外野手(29)が、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で存在感を放っている。日本ハム時代の後輩で米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平投手(28)の前を打つ2番を担い、4戦全勝で突破した1次ラウンドは打率.467、1本塁打、5打点と大暴れ。球界屈指のバットマンは、11年間プレーした北の大地への思いを胸に秘め、大舞台に臨んでいる。
東川町など9自治体にふるさと納税 北海道への感謝の気持ち示す
今年2月。近藤は育ててくれた北海道への感謝の気持ちを示すため、行動に出た。日本ハム時代に応援大使を務めた東川町など9自治体へ、ふるさと納税制度を活用して寄付をした。
昨年12月、悩みに悩んだ末、フリーエージェント(FA)権を行使し、ソフトバンクへ移籍することを決めた。なぜ、レギュラーを約束されている環境を捨てて、球界随一の選手層を誇るソフトバンクで激しい競争に身を投じたのか。決断の裏には、こんな葛藤があったという。
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FA移籍決断の裏にあった葛藤
自身が主力選手となった2019ー22年の4年間は、全てBクラスとチームが低迷。「こうなっているのは、自分に責任があるのかなと思った」と感じていた。鹿児島・徳之島での自主トレを主宰するなど後輩たちからも慕われていたが、「このまま残って、お山の大将でいるのも自分にとってはどうなのかな」。11年間在籍した愛着のあるチームを去る決意を固めた。
新天地でゼロからのスタート。2月の春季キャンプでは練習量の多さに驚き、「ファイターズに残っていた方が良かったんじゃないか」と思うこともあったという。それでも、近藤の信念はブレない。「すごい選手が大渋滞している。けがや不振で成績を残せなければ、1年で使ってもらえなくなる」。新人の時に戻ったような、緊張感を持ってプレーしている。
WBCでは鈴木誠也(カブス)の左脇腹負傷による辞退もあり、外野のレギュラーに昇格。持ち前の選球眼を発揮して、侍ジャパン打線をけん引している。1次ラウンドを首位通過し、16日にはイタリアとの準々決勝が控える。日本ハム時代の〝恩師〟栗山英樹監督(61)の下、負けたら終わりの一発勝負に挑む。