夏季スポーツ
2023/03/14 22:00

旭川実業高サッカー部が11年ぶりプレミアL参戦 18日開幕のJヴィレッジカップで勢いつける

チームの要、トップのFW和嶋(左)と4バックの左CBを務める庄子主将(撮影・西川薫)

プレミア初白星から残留目指す

 旭川実業高サッカー部が、11年ぶりに「高円宮杯U-18プレミアリーグイースト」に参戦する。前哨戦として3月18日から福島県で行われる「JヴィレッジカップU18」を経て、4月1日の横浜Mユースとの開幕戦(神奈川・日産フィールド小机)へ向かう。初参戦の2012年は1分17敗。プレミアL初白星と残留を目指して12月までの長丁場を戦い抜く。

京都U-18をPK戦で破り昇格

 22年12月の参入プレーオフで、京都Uー18相手にPK戦の末に出場権をつかんだ。23年1、2月には関西地方で行われたジャパンユースに参戦。さらに北海道に戻ってからも、例年より1カ月早く屋外で始動。2月下旬には帯広北、3月11、12日には苫小牧駒沢大の人工芝サッカー場で練習した。4月で就任30年目になる富居徹雄監督(51)は「チームもまだできていないので、メンバーを固めていきたい」と、Jヴィレッジカップを試金石に30人の登録選手の中からスタメン11人に絞っていく。

FW和嶋とDF庄子が攻守の鍵

 攻守の要は昨年から主力で活躍してきたFW和嶋陽佳(3年)とDF庄子羽琉主将(3年)のコンビだ。和嶋は2トップの左右両方でプレーでき、スピードを武器に相手DFの裏に走り込むタイプ。北海道プリンスLではチームトップタイの7得点をマーク。「裏抜けの回数はチームで一番。常にゴール前に顔を出して得点を狙う。目標は1試合1得点」と意気込む。

 最終ラインを統率するのが、4バックのCB左を務めるDF庄子主将だ。北海道コンサドーレ旭川Uー15出身。「U18に昇格することが出来なかった。行きたくて、でも行けなかったけど多くの事を学べた。去年のプリンスでもコンサに成長を見せたい」と直接対決2戦2勝で意地を見せた。「プレミアのチームとの対戦は、したくてもできない経験。北海道プリンスでは主導権を握ることが多かったけど、プレミアでは逆に主導権を握られる場面が多くなる。後ろから声をかけて味方のポジションを修正していきながら、攻撃参加して周囲をサポート。ゴールに向かっていくパスをしかけていきたい」と好機を演出する。

10年間じっくりチーム作りした

 12年参戦時、当時主流だった縦に早いサッカーを軸に挑んだが、思うような結果を残せなかった。富居監督は「自分が教えたいことを教えようと。しっかりとボールを回して、いろんな事が出来る選手を育てることを目標にしてきた。前回はポンっと上がった感じ。10年経って、計画的に上がれるチーム作りをしてきた」。15年と18年に北海道プリンスLを制して、プレミアL参入戦に挑んだが敗退。3度目の正直で、2度目のプレミアL参戦を勝ち取った。

現在、部内に6チーム

 指揮官就任当時は部員わずか12人。それが22年は北海道プリンスLを筆頭に、ブロックリーグに4チーム。さらに19年に発足した町クラブ登録で、クラブユース大会に出場する旭実FCが2チームと合計6チームが活動する。23年はトップチームのプレミアL昇格により、昨季北海道プリンスL参入戦を制した旭実2ndが昇格。「これはコンサドーレさんでもできなかったこと」。理想とするスタイルの追求と勝利を両立し、道内屈指のポゼッションサッカーを構築してきた。

代わりに旭実2ndがプリンスL昇格

 リーグ戦は12月までの長丁場だ。プリンスL北海道は出場8チーム2回戦総当たりの14試合だったが、プレミアLは12チーム2回戦総当たりの22試合。昨季のイーストを制した川崎フロンターレU18や、青森山田高など、毎週が全国大会の顔ぶれだ。自動降格は下位2チーム。旭川実業高は、残留ラインを「勝ち点24」、7勝3分を最低目標に設定した。庄子主将は「(去年の)3年生がプレミアに上げてくれた。経験だけにするのは良くない。やるからには勝つことを目指す。毎試合、毎試合成長して繋げていく」。高校世代最高峰の舞台で堂々と存在感を示す。

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