開幕投手の加藤貴 オープニングゲーム想定の一戦で満点〝快投〟
■オープン戦 西武1ー2日本ハム(3月15日、エスコンフィールド北海道)
わずか48球で5回1安打無失点 伏見との相性もバッチリ
開幕投手を務める日本ハムの加藤貴之投手(30)が15日、エスコンフィールド北海道で行われた西武とのオープン戦に先発登板。5回1安打無失点の快投を披露した。打者15人に対して要した球数はわずか48球。持ち前の制球力を生かした省エネ投球で相手打線を封じ込めた。「本番を想定して一人一人、相手に向かっていきました」と、開幕戦の予行演習は済ませた様子。頼れる左のエースは今季を占う一戦へ向けて順調な仕上がりを見せた。
ファンの声援が注がれる新球場のマウンドで淡々と腕を振り続けた。バッテリーを組んだ伏見のリードに身を委ね、ミット目がけて全力で投げ込んだ。「配球が良いので、良い流れができた。野手もしっかりアウトを取ってくれた。どんどんストライクゾーンで勝負できてテンポ良くバッターに打ってもらえた。これを続けていけるように頑張ります」。コンビを組むのは2回目だが、あうんの呼吸で凡打の山を築き上げた。
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緩急を駆使し西武打線を手玉 不安一掃で開幕戦へ視界良好
許した安打は1本だけ。完璧に近い投球内容だった。この日はチェンジアップやスローカーブなど、緩急を駆使して西武打線を幻惑した。女房役の伏見は「打者がどれだけ泳ぐのか、どんな対応を取るのか見たかった。僕と宇佐見、清水がいて、似たようなことをやってもチームに得がない。一回、自分のやりたいようにやらせてもらった」と狙いを説明。経験豊富なベテランが投球の幅を広げてくれた。
キャンプ期間から数えて4試合目の実戦。これまでの登板後は、抑えても点を取られても「少し気持ち悪さがある」と独自の言い回しで、拭いきれない違和感を訴えてきた。募る不安な気持ちはこの日の好投で一掃された。加藤は「しっかり自分のボールが投げられたことが一番。今は良い状態。保っていけるように努力したい」と晴れやかな表情を浮かべた。開幕まで約2週間。頼れる左腕が、ようやく自信の言葉を口にした。
◆建山投手コーチ
「持ち味は十分に出ていた。球数も少なく投げられて順調に来ている。(変化球の)精度も上がっている。あとは新しい球場、マウンドになじんでくれればいい」