侍ジャパン伊藤 抑えた!1回パーフェクト! WBC世界一奪還に大貢献
■WBC決勝 米国2ー3日本(3月22日、ローンデポ・パーク)
ダルの投球にくぎ付けとなった〝あの日〟から14年 自ら世界一の輪の中に
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場の日本代表は21日(日本時間22日)、2連覇を狙う米国との決勝に臨み、3ー2で勝利。手に汗握る熱戦の末、3大会ぶりの世界一奪還を果たした。
前回優勝の2009年。当時小学生だった日本ハムの伊藤大海投手(25)は車のカーテレビで歓喜の瞬間を見ていた。ダルビッシュ有投手(パドレス)が胴上げ投手となったシーンを「すごく記憶に残っています。学校が4時間授業でお昼で終わって、車で帰っている時でした」と振り返る。あれから14年ー。目を輝かせて画面を見ていた少年は、WBC決勝の舞台に立ち、堂々たるピッチングを披露した。
圧巻の投球で3者凡退 大会通じて1人の走者も出さず
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完全アウェーの雰囲気の中、2点リードの六回からマウンドへ。「逆に力に変えよう。思い切って自分らしく」と落ち着いていた。先制弾を放った先頭・ターナーを宝刀スライダーで左飛に仕留め、最後はマリンズを151キロ直球で空振り三振。「自分の役割を果たし、全うするという意味では自然に出てきました」と雄たけびを上げ、くるっと回って右拳を力強く握った。
国際大会で爪痕を残した。チームでは先発を担う伊藤だが、WBCは中継ぎとして〝火消し役〟を任された。3試合に登板して、計2回1/3を投げて無失点。走者を1人も出さない完全投球を見せ、存在感を発揮した。
初めてのシャンパンファイトに笑顔満開 次に狙うはリーグ優勝&日本一
金メダル獲得に貢献した2021年夏の東京五輪はプロ入りしたばかりのルーキーだったが、今季でプロ3年目。「今回はプロ野球選手としての心づもりで、それをしっかり投球で体現できて、少しでもチームに貢献できたという意味ですごい達成感は多いです」。初めてシャンパンファイトも経験し「最高でした。冷たかったですけど」と笑った。
世界一の美酒に酔いしれ、北海道へ凱旋。次は日本ハムの主力としてパ・リーグの頂点を目指すことになる。「新庄監督も今年、優勝するんだと言っているので、もちろんその気持ちでいます」。道産子右腕が、たくましさを増して故郷に戻ってくる。