全道秋季全道高校野球 決勝が雨天順延 旭実×クラーク
11日に予定されていた決勝は雨天のため、きょう12日に順延となった。10日の準決勝では、クラークの先発・辻田旭輝投手(2年)が9回1失点で完投。東海大札幌高に5―1で勝利し、初の決勝進出を決めた。昨年準Vの旭実は4―3で札国際情報を下し、2年連続で決勝に駒を進めた。決勝は53年ぶりの北北海道勢対決となる。
▼10日の準決勝▼
■旭実4ー3札国際情報
旭実 弓削が好捕で満塁しのぐ
持ち前の粘り強さで、手に汗握る接戦をものにした。1点リードの九回は2死満塁の大ピンチ。中前に抜けそうな打球を弓削智也二塁手(2年)が好捕し、勝利を手にした。
五回に丹代佳成三塁手(2年)のスクイズで同点に追いつくと、六回には敵失で決勝点を奪取。河内秀仁主将(2年)は「極限の場面で点を取る練習をやってきた。低い打球を転がして、泥臭く点を取れた」と振り返った。
昨秋の決勝は0―1で惜敗。スタンドから声援を送っていた河内主将は「1点差で負けて悔しい気持ちがあった。先輩たちの思いを受け継いで優勝したい」と雪辱を誓った。
札国際情報 初の決勝進出逃す
初の決勝進出を逃した。1点ビハインドの五回に6番・三浦翼捕手(2年)の2点適時打で一時逆転するも、直後に失点して同点。六回には守備のミスで決勝点を献上した。エースの小泉太陽投手(2年)をけがで欠き、コロナ禍で練習時間を大幅に制限された中で迎えた今大会。全試合に先発した三浦隼太郎投手(2年)は「ここまで勝ち進めたのは大きな経験。もっと強いチームになって戻ってきたい」と話した。
■クラーク5ー1東海大札幌高
クラーク 初先発の辻田が11K完投
クラークの辻田が東海大札幌高打線をねじ伏せた。全道初先発で11奪三振。捕逸による1失点だけに抑え、完投した。
開幕前日のシートノックで右手中指を突き指。準々決勝の立命館慶祥戦で復帰したばかりだったが「(エースの)山中に頼りっぱなしだった。何とかきょうは自分で投げきりたい」とマウンドに上がった。
けがの影響で、投げられる変化球はスライダーのみ。それでも要所では佐々木啓司監督(65)が「重い」と評価する直球で押し、相手打線に付け入る隙を与えなかった。
秋季全道初勝利の勢いに乗り、決勝まで駆け上がってきた。頂点まであと1勝。辻田は「あす(12日)もチーム一丸で戦う。甲子園に行きたい」と力を込めた。
東海大札幌高 門別が打線につかまる
最速149キロの門別啓人投手(2年)がクラーク打線につかまった。一回に幸先良く先制するも、五回に適時打を浴びて同点。続く六回にも長打2本を含む3安打で3失点し、突き放された。門別は、生命線である右打者内角への直球をはじき返される場面もあり、「当てられないくらいの勢いをつけないといけない」と反省。来春に向け、「(球速が)155キロ出るように頑張りたい」と目標を掲げた。