■オープン戦　ヤクルト１ー３日本ハム（３月２４日、エスコンフィールド北海道）

３安打すべてがセンターから右方向　決勝犠飛は「チームとして大事な打席だった」

　昨季の首位打者が力強く打線をけん引した。日本ハムの松本剛外野手（２９）が２４日、エスコンフィールド北海道で行われたヤクルトとのオープン戦に「３番・左翼」で先発出場し、３安打に決勝犠飛と充実の４打席を送った。開幕を目前に控える中で打撃の状態は右肩上がり。チームの中心打者は充実の調整を経て本番を迎える。

　らしさが戻ってきた。この試合の３安打は全てセンターから右方向。試合を決めた犠飛も外角直球をコースに逆らわず、反対方向へ押っつける巧みな一打だった。「もちろんヒットが打てれば一番いいけど、良い投手が相手だったので最低限の仕事をしようと思っていた。チームとしても大事な打席だったので、良い結果が出て良かった」と、充実感のにじむ表情で決勝打を振り返った。

チームはオープン戦１１勝５敗　打線をけん引する松本剛も開幕にピタリ照準

　２週間ほど前から「打撃練習は良い感じが続いていた」と好感触を得ていた。一方で実戦になるとパフォーマンスを発揮できず、心にモヤモヤを募らせた。この日の４打席はそんな鬱憤（うっぷん）を晴らすのに十分な内容だった。「きょうの打席は全て自分のイメージ通りに進む感覚があった。（オープン戦は）残り２試合。開幕に向けて良い方向にいければ」。独自の感性とゲームの結果が、ようやくリンクし始めた。

　日本ハムはオープン戦１６試合を戦い１１勝５敗。昨季のリーグ最下位チームが躍進の気配を漂わせている。選手会長の松本剛は「勝ち癖を付けることがテーマと新庄さんが言っていた。僕を含めた選手全員、その気持ちが強いと感じている。きょうみたいな接戦をものにすることで勢いが出ると思う」。逆襲の鍵を握る好打者が、力強くチームを先導する。