伊藤 開幕準備OK 2軍DeNA戦で先発4回1安打無失点
■イースタン・リーグ 日本ハム1-2DeNA(3月28日、神奈川・バッティングパレス相石スタジアムひらつか)
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表として世界一に輝いた日本ハム・伊藤大海投手(25)が28日、イースタン・リーグ、DeNA戦(平塚)に先発し、4回を投げて1安打無失点。シーズン初先発となる予定の開幕2カード目、4月5日のロッテ戦(ZOZOマリン)へ、準備万端をアピールした。
NPB公式球で約半年ぶり実戦登板 「戻す方が楽というか、簡単」
約半年ぶりとなるNPB公式球での実戦登板も何のその。WBCでは中継ぎとしてフル回転した伊藤が、遊び心を交えて、今季最長の4回を投げきった。「長いイニングを投げている方がいろんなことできるので、違った楽しさがありました。(NPB球に)戻す方が楽というか、簡単なのかなと思います」。
三回2死から村川に粘られ、突如腕を下げて投球
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23日に帰国し、24日からチームに合流。ハードスケジュールの中で調整登板に臨み、道産子右腕らしさを存分に発揮した。三回2死から村川に粘られると、5球目に突如腕を下げてスライダーを投じた。「ひらめきというか。なんか変えないと勝負が終わらない。球数を気にしていたので、なるべく長く投げられるように」。打ち取った当たりが、二塁内野安打となり「横から投げて今年初ヒットだったので。自分らしいなと思って」と苦笑いだった。
志願して4回63球 「(次回)5回はいけますよ」
今季実戦7試合目にして初被安打を許したものの、続く田中俊を雄たけびを上げて直球で見逃し三振に斬った。3イニング60球がメドだったが、志願して四回もマウンドへ。4回63球を投げて降板し「きょう無理して4回いきました。(次回)5回はいけますよという雰囲気は出しました」とニヤリと笑った。
〝新球〟スプリットも試投
WBCで一流の投手から見て学んだ〝新球〟も試投した。左打者対策として落ちる変化球の精度向上に取り組んでおり、2月の強化合宿(宮崎)から理想とする山本(オリックス)のスプリットを研究。投げ方を参考にしており「(スプリットは)ボール球とゾーンと投げ分けもできていた。落ちるボールを試せたのでそれは良かった」とうなずいた。
「ダルビッシュさんと過ごした時間、経験、知識はすごく全体的に生きている」
今季初登板となった2月9日のサムスン戦(名護)から、WBCを含めて実戦では7試合、計10回1/3を投げて無失点。1月には崇拝するダルビッシュ(パドレス)と合同自主トレを行い、「ダルビッシュさんと過ごした時間、経験、知識はすごく全体的に生きている。いい気持ちで野球に取り組めている」。WBCではチームメートとして戦い、別れ際には「お互い今シーズン、けがなく頑張りましょうっていう。いつでも、また連絡してと言って貰いました」。
メジャーで二刀流として活躍する大谷(エンゼルス)ともプレーし、大切なことにも気付かされた。「大谷さんとかもそうですけど、打って(チームメートを)鼓舞するじゃないですか。そういうのも大事だなと。楽しそうに野球しますし、その心を忘れてはいけない」。心の底から野球を楽しみ、感情を表に出す。プロ3年目の今年はそんな伊藤の姿が見られそうだ。