Ｖ１大分三好とのＶ・チャレンジマッチ（４月８、９日、茨城・ひたちなか市総合運動公園体育館）に臨むヴォレアス北海道が２９日、比布町で報道陣へ向けた公開練習を行った。選手たちはＶ２連覇の余韻に浸ることなく、精力的に汗を流した。〝３度目の正直〟を果たすため、エド・クライン監督（４１）は「しっかりと準備したい。戦術的にもできる限りのことはやっていきたい」と力を込めた。

　１０日後の決戦に向けて、練習は自然と熱を帯びた。相手はＶ１最下位とはいえ、Ｖ２よりもレベルは数段高くなる。強烈なオポジットのイノック・モゲニ（２５）を封じることが一つのキーポイントとなりそうだ。指揮官も「Ｖ２で戦ってきた相手とは違って、ジャンプの高さだったり、パワーが優れている」と警戒した。

　残り期間で改善点を詰めていく。レセプションやディグといったレシーブの修正を図る。「レセプションに関しても、（Ｖ２）リーグの中でトップではなかった。Ｖ１との試合に関してはサーブの良いチームと対戦するので、そこは改善しなければいけない」。選手たちはマシンを用いた鋭いサーブを受けて、強化を図っていた。

　ディグの精度を上げ、攻撃につなげる。「先週末（２５、２６日）の大分三好さんとＶＣ長野さんの試合を見たんですけど、ＶＣ長野さんのディグがとても良かったです。特に大分三好さんのオポジットに対してのディグが本当に素晴らしかった。我々もそのレベルまで到達する必要があります」。

　そして、攻撃のキーマンは何と言ってもエースの張育陞（チャン・ユーシェン、２３）だ。昨年のＶＣ長野との入れ替え戦でも初戦に４３得点をマークするなど、躍動した。クライン監督は「彼がトップスコアラーになる。また〝ビーストモード〟になってくれればいい」と再現に期待を寄せた。

　３度目の入れ替え戦。多くの選手を起用しながらリーグを制覇した指揮官は「去年よりも強い」チームを構築。「統計的にも強いという根拠があります」。リーグと同様に全員の力を集結して、下克上を成し遂げる。