《SHINJOの信条》面白い台風の目になるのは間違いない。それくらい選手が成長してきている
■開幕前日練習(3月29日、エスコンフィールド北海道)
―開幕オーダーは
「いや、まだ。まだまだまだ。3パターンあるけど。3パターンあって、そこのポジションをどういうふうに、まあデータもね、しっかり見させてもらって、そのデータもまた微妙な数字やから。あとね、今の調子と、あとはこのバッターを、例えば1番に誰かを置いた時に、印象が悪いスイングをした時に、やっぱりね、印象が悪いスイングをした後の後の後のバッターというのは、どんだけすごいボール投げてんねんって思わせるスイングをさせない人をぼんっと。やっぱり一回、二回、三回、四回って大事なイニングになってくるから。さあ大丈夫だって思わせるようなバッターを今探しているというところ。今日、明日のね、ゲーム前までに決めるところがポイントかな」
―練習の雰囲気含めて
「いや。候補がいる中で。まあ、あとは俺のいつもの勘ピューターで。これはね、点じゃなくて線で考えないといけないから。そこの凡打の仕方やらがポイントになってくるかなと思いますね」
―DHも
「それも。難しいね。いや、ほんっとうにこれ、1年間通してシーズン143試合出た選手が1人もいないから。いるのであれば考えやすいし、データもいっぱいあるけど。また新しくね、入ってきた選手っていうのはデータもないし、でもそのデータがないっていうところもまた面白いし」
―最初の50試合
「50試合とは言ったものの、15試合。ここの15試合っていうのはものすごく大事になるだろうし、選手たちはものすごく神経を使う。疲れると思う。それぐらい15試合、20試合をね、何とか乗り越えていかないと今シーズンはどうかなっていう大事なポイントなんで。生まれて初めて今日、花粉症気味になってね、オレもびっくりした(笑)」
ーこっちで?
「うん、こっちで。2日前から。花粉は、花粉のポイントは無視。鼻水が垂れようが無視。それが一番」
ーライトを誰にするか迷っている
「迷わせて。明日のバッティングを見て決めるかな~そのへんは」
ーキャッチャーは
「キャッチャーは決まってます。それは明日の発表を聞いて」
ー守備重視か打撃重視かというと打撃重視
「加藤(貴)君なんで、そうはね。僕は点数を取られないと思うんで。逆に点を取ったろうかなって。ゴロが多いピッチャーだから守備重視っていうところじゃなくて、どうやって点取ろうかなっていうふうに今なってますね。向こうも田中(将)君で、そんなに簡単には取れない投手ですけど、若い選手たちがガムシャラにいってガツーンっと取れるチャンスもあると思うので、それは怖さを持っていない選手たちがどんどんどんどん立ち向かっていって、何が起こるか分からないというチームだから。攻撃のオーダーを組みたいかなっていうのもあるし。見ている方も楽しいと思うし」
ー後ろの3人は決まっている
「勝っている時はメネズ、田中(正)、石川でいきたいなっていうのはありますけど、建山コーチ、加藤コーチに違う案があるんであれば、もちろん話し合いをして変わるだろうし。まあ加藤(貴)君が9回投げてくれるのが一番いいんですけどね。ね。8時47分くらいに。はえーって。ダブルプレー何個取んねんってね」
―セレモニーも注目されていますが
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「そうかな? そう? いやあ、昨日、きれいかったっすね。観に来ました? イベント。ペンライトがたくさん並んで。ペンライトから反射されてのあそこのガラス張り(センター後方)の先が、俺、渋谷にエスコンフィールドあるんじゃないのっていうくらいの、めちゃくちゃきれいな夜景。か、ラスベガスっぽい。こんな都会だった? っていうくらいきれいかったです。照明も消したり付けたりできる球場なので、それも楽しみですし、ペンライトも14パターンかな? の、変えられるペンライト。プレゼントするか分からないですけど」
―あしたの開幕セレモニーは
「もちろんない。でしゃばらないって。でしゃばってほしいのはもう選手だけ。選手にでしゃばってほしい」
―去年の札幌ドームみたいな感じは
「ないないない」
―ちょっと物足りない?
「俺が? 物足りないよ。めちゃくちゃ物足りないよ。我慢してるよ。これが、もう絶好調になった時もう爆発させようかな。ガンガン出ますよ(笑)。いやね、それに釣られて選手たちも乗ってくれるタイミングを俺が計るという、歯がゆくて仕方ないですけどね、今。ムズムズムズムズしていて。キャンプからこう、出ようかなって思うんだけど…。そのへんはね、ギャップっていうのが大事なので。メリハリ? オンとオフ? そのへんはね、選手たちも感じていると思うし、あんましゃべってないしね。選手と」
―去年と比べて選手に教える姿がだいぶ減った
「だいぶ減りましたよ。でもね、俺たちの仕事って気づかせることが仕事だと思ってるんで。技術的な問題はコーチ達にしてもらって、精神的にこうやっていったらどうなのっていう。自分に何の才能があるか。どういうセンスがあるかっていうのはね、やっぱ遠くから見てる人たちの方が分かるから。例えば盗塁1つにしても、やらせてみて。おお、スタートいいね。もうちょっとこうやったら、もっと盗塁できるんじゃないみたいな。足が速くない選手でも。バッティングに関しても、例えば、打席の中でこういうゆとりを持たせるとか。なんか言葉のマジックというか、そういうのはちょいちょい話をしてて。で、いきなり明日いくよ。みたいな一言が。ガーって寝れなくて、寝不足っていう。ハハハ。だからあんまり言ってないんですよ。さあいくよっていうことを言うとね、寝れずにずっと部屋でスイングとかしてて。あのー、よくね、俺は外に遊び行くタイプだった、開幕前は3時ぐらいまで。それは何も考えたくない。でもやっぱスタメンでね、出る選手というのは。例えば先発ピッチャーが誰々って分かっていたら、6パターン、6回ぐらい1試合を寝ながら考えるらしい。で、どれいったか分からなくなるっていうね。1打目はこういう攻めで、こうこう来て、よし、2打目ランナーいてこうって。それを6回考えてもね。眠れないだけで、朝気がついたら4時半とかなって。やばいやばいって焦りでまた寝れなくなるっていう。だから言うのやめようって」
ー松本剛、宮西と話をしていた
「それは言えない。それはもうあれよ。メンタル的なこと。笑顔にさせる言葉、安心させる言葉をかけてあげる。まあまあ、彼たちはもう何年もやっていますから。プロ野球選手を。初めてなんじゃないかな、宮西君と話したの」
ー今季のパリーグは混戦
「いつも混戦じゃないですか? その中に必ず入ってくるし、面白い台風の目になるのは間違いないと思っている。それくらい今のファイターズの選手が成長してきているし。ミスしてもいいから思い切っていきなさいと言っても、言葉で言っても緊張しすぎて耳に入ってこないと思う。たぶん。仕事ですからね。高校野球、大学野球の延長ではなくて、これはもう仕事だから、自分がこのグラウンドで活躍してね。金を稼げるんだから、チームですけど、俺がよく言う個人プレー。個人競技なんで、その個人競技としてやって、結果が出なかったらお金が稼げない。一人一人が自分のために家族のためにやって、結果を出したらチームワークになって、チームが勝って、最終的には良いポジションにいることにつながっていく。チームワーク、チームワークというのは…。これが短期決戦ならまた別になってくる。WBCでも全員が一つになって7戦をガーッと持っていく。短期決戦になるとチームワークがものすごく大事になる。長いシーズンは個人個人が大事」
ー開幕投手を加藤貴にあれだけ早く伝えていた
「プレッシャーを感じさせたかった。あとは調整方法も変わってくるだろうし、そこにしっかり、このシーズン終わりの時期に、やっぱシーズンオフの過ごし方って、ものすごく大事になってくると思うから、 昨年も良い成績を残した加藤君ですけど、またさらに、1つ2つレベルアップさせるためには、このシーズンオフの過ごし方っていうのはものすごく大事になってくると思うので、本人もね、言葉では別に意識してませんとか、言葉では出しますけど、気持ちの中で、よしっ俺が開幕投手でこのチームを引っ張るという意識持って、自主トレのトレーニングは必ずやってるんで。で、ぽっちゃり太ってきてもないでしょ。やっぱ意識はしてるんですよ。ちょっと太りやすい体質かなっていうのもあったし、しっかり体つくってきてね。りりしい加藤君に今見えるし、明日の結果どうこうはもう明日の10時ぐらいにならないと分からないから。誰でも緊張しますって。これ、緊張を味わうためにやってるようなもんじゃないですか、野球選手って 。この開幕戦のグラウンドに立ちたいがために、 朝から晩まで野球のこと考えて、トレーニングして、健康管理して、食事の面も考えて、本当に緊張感を楽しんでね、やってもらいたいなと」
ー去年の開幕戦と全然違う緊張感
「オレ? 全然違いますよ。去年はさあ見せてください、皆さん一軍に立たせますよ。俺にアピールして。そこから見極めて、来年の今日、明日に誰を使おうかっていう準備の期間に。もちろんね勝ちにはいってましたよ。その中でもメーンはさあ、この世界一の球場で誰を立たせるか、それはもう選手が一番分かってるだろうし」
―選手たちのキャンプ、オープン戦を通じての成長は
「いや、もうね。キャンプから。まあ、去年からずっとトライアウトとしてこうやってきて。さあ、これの最終章として、明日出る選手たちは合格者ということで。まあ、キャンプ2月1日の初日から、本当にね、競争がすごすぎて。もう毎日のように、さあ、誰を1軍に置こう。誰をスタメンに、誰を何番にっていうことをずっと考えさせられて。まあ、はっきり言って今でもちょっとスタメンが決まってない状態なんで。今日寝て、明日の練習を見て、選手の表情を確認して、オーダーを決めたいかなっていう感じですかね。まあ、3パターンぐらいは考えてるんですけど、それは明日の選手の表情を見て決めたいと思います。まあ、開幕投手はね、加藤(貴)君で。安心して送り出したいなと思います」
―開幕戦は143試合のうちの1試合と言われるが
「あー、…とは思ってません。うん。何よりもこの球場の一番最初の試合で、まあ、セ・リーグ、パ・リーグ合わせてね。1日早い開幕戦をやらさせてもらって、その試合でファイターズが勝たないと男じゃないですよね。ここで勝つ。必ず勝つという気持ちで選手を試合に送り出したいと思ってます」
―加藤貴への期待は
「あの、さっきも(ペン囲みで)話したんですけど、加藤君はああいう性格で『いやいや、全然、意識してませんよ。意識せずにキャンプを送りましたよ』って言う子なんですけど、そんなことはないです。表情と体と、キャンプで見てもやっぱりしっかり仕上げてきてる感じの印象もあったし、必ず俺がチームを引っ張るっていう気持ちでオフを過ごしてきたと思うんで。もう僕は何にも心配することなく、明日どんどん投げるボールを打たして。明日の試合時間は…多分2時間8分ぐらいかかるかなって。ふはははは(笑)」
―相手は田中将。打線への期待は
「あのね、まあ、確かにすごいピッチャーだし、伝説をつくってきたピッチャーなんですけど、ウチの若い選手ならね、もうガッと入り込んで乗っていければ、どんどんいって何点でも取れる勢いがあるんで。その勢いで何とかぶちかましてほしいなと思います」
―キーマンはやはり五十幡、松本剛か
「まあまあ、全員がキーマンなんですけど、強いて言えば、やってもらいたいというのが松本剛君と五十幡君の足でかき回してほしいなというところなんですけど…まだスタメン決まってないんでね。ふははは(笑)明日のオーダー、『えーっ!?』っていうオーダーが来るかもしれないし。これはマスコミさんを使っての作戦の一つです。すみません(笑)」
―明日はエスコンでの初公式戦。新球場への思いは
「いや、このね、世界一の球場でやっぱ選手たちはね、新時代というものをつくりたいと思うし、つくらないといけないんですよね。その1歩目のスタートとして、明日勝って、まだそんな短期間につくれるもんじゃないし、恥のないよう、この球場に恥じないような選手の活躍、成長でこの球場をさらにすごい球場にしてもらいたいなっていう気持ちがすごい強いです、はい。まあ、でも選手だけじゃなく、この球場をさらに良くするためには、ファンの力っていうのは…北海道のファンの力、ファイターズファンの力っていうのがもの凄く重要になってくると思うので、一緒になって戦っていけたら嬉しいっすね」
―最後にファンの皆さんにひとこ…
「(遮るように)あ、その質問はやめましょう。とにかく、開幕して20試合全て勝つつもりで、精神的にはキツい20試合だと思いますけど、この20試合を何とか乗り越えたたら勢いに乗っていくチームなんで、そういう期待を皆さんしておいてください。必ずやります。はい」