侍ジャパン栗山監督が栗山町役場でWBC優勝報告 「やっぱりすごい力ですね、栗山町の力は」
町役場に軽トラで到着し、ジャージーに長靴姿で登壇「ただいま帰りました」
WBCで日本を3大会ぶりに優勝へ導いた侍ジャパンの栗山英樹監督(61)が3月30日、自宅を構える栗山町の町役場に凱旋した。同役場には町内の少年野球チームである栗山ロッキーズのメンバーら町民約200人が駆けつけて祝福した。栗山監督は大会中のエピソードを交えながら、次の夢へ向かって挑戦することも明かした。
町役場で待ち構える町民の前に、今月28日の夜に戻ったばかりだという栗山監督が少年野球場「栗の樹ファーム」の名前が入った軽トラックで登場。ジャージーに長靴と、町民お馴染みの姿でステージに登壇し、「ただいま帰りました。アメリカに行って時差で全然寝れなくて、試合が終わっても全然寝れなくて。こっちに帰ってきてやっと寝られた。やっぱりすごい力ですね、栗山町の力は」と話し、会場を沸かせた。
WBCではアメリカとの決勝まで7戦全勝。それでも「どっちに転んでもおかしくない試合が続いていて。大丈夫、大丈夫っていう顔をできる限りはしてましたけど、心の中では、大丈夫かな…とか、これでやられたら帰れないな…とか、ここで負けたら栗山町に帰れないな…とか、本当にいろんなことが頭に浮かびました」と、日本代表を束ねる指揮官ならではの苦悩があったという。
佐々木町長「2つの感謝の気持ち」と、町内パレードと町民栄誉賞を検討
町民を代表して出迎えた佐々木学町長(61)は、町内パレードの開催計画と、町では史上2人目となる町民栄誉賞の授与を検討することをサプライズ発表。「栗山監督には、ぜひ私たちの2つの感謝の気持ちを、形として受け取っていただければ」と話した。さらに「栗山監督のファンの一人として、日本のプロ野球ファンの一人として、ぜひとも3年後のWBCで再び代表監督を務めていただいて、2連覇を目指していただきたい」との思いをぶつけられると、「何ともお返事のしようがないんですけど…」と返答に少し困惑し、苦笑いを浮かべていた。
栗山ロッキーズのエース永山投手「プロになって栗山監督と一緒に野球をやってみたい」
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ステージ前には、町内の放課後児童クラブに通う子供たちや、昨夏に全道4強入りした少年野球チーム・栗山ロッキーズも横断幕を持って出迎えた。栗山監督は「夢を叶えようと思うと、時間がかかっても叶うものは必ず叶います」とエール。4月から札幌大谷中に進学する栗山ロッキーズのエース左腕・永山綜太郎投手(栗山小6年)は「左のインコースの真っすぐを生かして、2年生から登板できるように頑張りたい。将来はプロになって、栗山監督と一緒に野球をやってみたい」と目を輝かせた。
栗山高女子硬式野球同好会・森主将「日本が優勝した姿を見て勇気をもらった」
22年4月に発足した栗山高女子硬式野球同好会のメンバーも駆けつけた。4月に2期生14人が入って15人となり、正式に部活動に昇格する。これから全国制覇を目指していくという新2年生・森乃々花主将は「日本が優勝した姿を見て勇気をもらった。3年生になった時に甲子園球場でプレーして、栗山監督みたいに、みんなに感動を与えられるプレーができればいい」と、日本代表の優勝が大きな励みとなったようだ。同好会の発足を後押しした栗山監督も「できる限り応援していきます」とバックアップを約束した。
エスコンの素晴らしさを伝えるためにもチームが頑張ることが重要
30日にパ・リーグの開幕を迎えるエスコンフィールド北海道には「今の段階では間違いなく、世界一良い球場が、このエスコンだと僕は思えるし、ファイターズだけではなくて、北海道のみなさんだけではなくて、この球場ができると、これが起点になって、いろいろなスポーツの環境が必ず変わる。これはもう間違いない。本当に世界に冠たるというか、世界と勝負できる。スポーツの環境ではなくて、人が育つ環境が、日本にもきちんと生まれると僕は思ってる。ぜひ、その素晴らしさを伝えるためにも、チームが頑張るっていうこともすごく重要なんで、ファイターズが頑張って、そのことをたくさん伝えてくれると信じてます」と期待を寄せた。
「栗山町に住んでなければファイターズの監督もなかったし、ジャパンの監督は全くない」
2003年、メジャーリーグを舞台にした映画「フィールド・オブ・ドリームス」に登場する球場とそっくりな少年野球場を町内につくって20年以上、町民と交流をしてきた。「栗山町に住んでなければ、ファイターズの監督もなかったし、ファイターズの監督がないってことは、ジャパンの監督は全くない。それが全てということではないけど、世界一を目指す勝負ができるっていうこと自体が幸せなんで、そこへの感謝というか、それはもう本当にすごくあるので。ここからは本当に一つ一つ丁寧に恩返しをしていきたい」。これからもひたむきに町の発展に力を尽くしていくつもりだ。
休む間もなく次の夢へ「全力で走り出さなきゃいけない」
今後の活動については「ここから次の夢に向かって全力で走り出さなきゃいけないんで。ゆっくりするのはまだまだ先かなって感じがします」。休む間もなく次のステージへ向かっていく。