清宮 敗戦もマー君からチーム今季初安打 絵本作家・五味太郎氏との交流も明かす
五回に右中間フェンス直撃の二塁打 「一本出たのは良かった」
五味太郎パワーでエスコン初安打! 日本ハムの清宮幸太郎内野手(23)が30日、エスコンフィールド北海道で行われた楽天との開幕戦に「5番・一塁」で先発フル出場し、五回にチームの新球場初安打となる右中間フェンス直撃の二塁打を放った。試合前の開幕セレモニーで、交流のある五味太郎氏が作画したアニメーションを見て力をもらい、楽天の開幕投手・田中将を攻略。3万1092人が集まったスタンドに大歓声が響いた。
「全然当たりが良くなかったので、フェンスまで行ってびっくりです。負けてしまいましたけど、一本出たのは良かった。やっぱりファンの皆さんの声援がものすごかった。全然緊張はなくて、もう(人生で)一番楽しかったんじゃないかな。きょうは楽しかったです」
偉大な絵本作家と家族ぐるみの交流 草野球ではチームメート
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運命的な〝再会〟だった。開幕セレモニーで大型ビジョンに映し出された映像は、小さい頃からよく見てきた絵にそっくり。「みんなうんち」「きんぎょがにげた」「まどからおくりもの」など数々の名作を生み出した偉大な絵本作家・五味太郎さんが手がけたものだった。
清宮は五味さんと野球仲間だ。幼少期から家族ぐるみの交流があり、小学生の時には、五味さんの草野球チームに混ざって試合に出たこともある。「昔から仲が良かった。好きな絵本はいろいろありますけど『みんなうんち』ですかね。きょうビジョンに五味さんの絵が流れていて、運命を感じましたし、うれしい気持ちになりました」と力をもらって、記念の一戦に臨んでいた。
田中将から強烈一打 新庄監督「エスコンでもフェン直かい!」
チームに勇気を与える一打だった。打線は五回1死まで、田中将の前に無安打。「何とかしたい」と打席に入ると、カウント0ー1からの内角直球をうまくさばいた。打球は右中間へ高く舞い上がり、フェンスに直撃。二塁打となり、塁上で笑みがこぼれた。
打球が上がった瞬間は、球場全体が本塁打を期待した。しかし、あと一步届かなかった。新庄監督は「清宮君、(札幌ドームよりフェンスが低い)エスコンでもフェン直かい!って(笑)。入れとかんかいって。ちょっと笑ってもうた。スタンドのみんなも、第1号(本塁打)清宮君を見たかったと思うしね」と悔しがった。清宮自身も「僕も思いました。あそこまで行ったら入れよと思いました」と苦笑いだった。
六回の得点機は二ゴロ 楽天との2、3回戦へ「絶対に2つ勝つ」
2点を追う六回は2死二、三塁の好機で打席に立つも、代わった2番手・鈴木翔のカーブを捉えられず、二ゴロに終わった。試合はそのまま、1ー3で敗戦。「もう勝ちたかった。それに尽きます。あそこ(六回のチャンス)で一本…本当に打ちたかった。本当にみんな気合い入っていましたし、選手のみんな、剛さんを先頭に一つになっていたので、それだけが心残りです」と唇をかんだ。
31日の練習日を挟み、4月1、2日も新球場で楽天と対戦する。「どっちも満員と聞いている。もう本当に悔しいので、絶対に2つ勝って、何とか勝ち越して終わりたい。これだけのファンの皆さんが(席を)立ちたくないなとか、球場に来たいなと思ってもらえるような試合をもっとしたいです」と意気込んだ。次こそフェンスの向こうにいるファンのところまで、豪快な放物線を描いてみせる。