《大海の部屋》vol.02 WBCでの秘話を独占公開! 人見知り卒業プランも完遂!
まさかのハプニング! 歓喜に沸いた準決勝の舞台裏で、いったいなにが!?
日本ハム・伊藤大海投手(25)の連載手記「大海の部屋」第2回は、中継ぎとして世界一に貢献したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の秘話を明かします。米マイアミで行われた準決勝・メキシコ戦で発生したまさかのハプニングや、ブルペンでの『もぐもぐタイム』など知られざる裏話をお届け。ファンの皆さん待望のチームOBダルビッシュ有投手(36)=パドレス=、大谷翔平投手(28)=エンゼルス=との3ショットも初公開です。
グラブの行方は!? 準決勝で今大会一番のピンチ
ファンの皆さま、たくさんの応援ありがとうございました! SNSでもメッセージをいただき、大きな力になりました。今では笑い話ですが、実は準決勝で今大会一番のピンチがありました。二回、先発の(ロッテ・佐々木)朗希に打球が当たった時、僕は宇田川(オリックス)とブルペンで待機していました。スパイクも履かずに油断していて、あのタイミングでグラブがないことに気付きました。いつもと違ってベンチ裏に置いていたので、入っているものだと思ってリュックだけ背負ってきちゃったんです。
ブルペンは外野席の前にあるので、「やべっ!どうしよう」と1人でワタワタ。係の人に「グラブがないので持ってきてください」と連絡したのですが、2個持って行ったうち、違う方のグラブが先に届いてしまい「そっちじゃない!」と。(ブルペン担当コーチの)厚(沢)さんにも言えず、いつもよりゆっくり準備をしていました。高橋宏斗(中日)がブルペンの入り口が分からなくて話題になりましたが、僕もそれどころではなかった。結局、出番はなかったですが、一番慌てましたね。
ブルペンに欠かせないのはお菓子!? もぐもぐタイムが活力に
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ブルペンにいると結構、小腹が空くんです。大会直前、宏斗に1万円を渡して「お菓子を買ってきて」とお願いしたら、宮城(オリックス)も一緒に行ってガム、グミ、チョコ、あめを買ってきてくれました。その時に宇田川がポテトチップがないと文句を言って、その後からしょっぱい系も。みんなが買ってくるようになって、ブルペンには常にお菓子がある状態でした。
マイアミにも、日本からガムを中心にグミ、ドライフルーツなどお菓子を3袋くらい持って行きました。肩をつくっていないピッチャーが食べていたのですが、宇田川がほとんど食べてました。ダルさんに大丈夫でしょと言われ続けて、ダイエットすることをやめたようで(笑)。『もぐもぐタイム』が、ブルペン陣の活力になったと思います。
チームの結束につながった決起集会 準決勝前夜はダルが幹事&支払い
節目節目で、決起集会が行われました。ユニホームを着ている時と違ったみんなの姿を見られて、チームの結束につながったと思います。メジャー組が合流した大阪の時は席順とあいさつの担当者を決めるくじ引きがあって、乾杯はダルさん、締めは大谷さんが当たりました。源田さん(西武)とコンさん(ソフトバンク近藤)がくじを作ってくれたようで、盛り上がりました。
準決勝前夜はアメリカのステーキハウスで。決戦前日だったこともあり、みんな表情が硬かった気がします。シーフードが出てきて、そこから1人1枚ずつステーキを食べました。ダルさんが幹事を務め、支払いも全部してくれました。
他選手の食事も〝勉強〟 二刀流スケジュールで動く大谷を目の当たりに
最近、栄養学の勉強をしていることもあり、食事中は他の選手が何を食べているか参考にしていました。みんなよく食べますし、常にこまめに食事を摂っている印象が強かったです。大谷さんは間食で卵かけご飯や、ゆで卵4個とか。球場ではずっと忙しそうで、せかせかと食べていました。投打どっちもやるってすごく大変なんだろうなと思って見ていました。
豪華3ショットがついに実現 貴重な経験を糧に前へ前へ
〝人見知り卒業プラン〟として掲げていた、ダルさん、大谷さんとの3ショットも大阪での食事会中に撮ることができました。ユニホームでもお願いしたかったのですが、決勝の後、お二人が忙しそうでチャンスがありませんでした。WBCでは日本代表として、貴重な経験をさせてもらいました。達成感もありますが、すでに3年目のシーズンに向けて気持ちを切り替えています。
次に目指すはリーグ優勝&日本一 「食らいついていけるよう一戦一戦」
僕だけではなくて、チームとして一勝一勝積み重ねていくしかない。最終的に監督の言っている通りになればいいので、食らいついていけるよう一戦一戦、頑張っていきます!
※「大海の部屋」は北海道新聞の紙面でも要約版がお読みいただけます。今回は4月4日付の新聞で掲載予定です。